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橋本との交流は、日を重ねる事に深くなりました。
ある日、橋本が私の店に一人の男を連れて来ました。
男は水口と名乗りました。
橋本は私に体を寄せて、
「こいつ、ゴト師なんですよ。」と教えました。
私は橋本達を連れて、近所の喫茶店に出掛けました。
私達パチンコ屋の店員にとって、ゴト師は天敵です。そのゴト師とこうして同席するなど、考えてみた事等ありませんでした。
橋本はニコニコして私達を見比べて口を開きます。 「あのね、こいつが僕に連絡して来てね、店に詳しい人を紹介してくれって言うんですよ。」
水口は私に頭を下げ
「少し聞きたいんです。」と、切り出した。
当時パチンコ業界では、多発するゴト師対策に追われて、色々な手段をとっていました。
水口は私に、そのゴト対策の盲点を教えて欲しいとの事でした。
私は正直戸惑いを隠せず、橋本を見ました。
橋本はニコニコしたまま、「ダメならハッキリ断ってもらって良いですよ。」と言いました。
私は考えてみました。
自分にメリットが全く無い事を、何故橋本が振って来たのか?
私は橋本に正直に話ました「俺にメリット無いでしょう?」
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