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裏物屋
その日私は、谷から説明を受けて初めて自分の店に設置されたパチスロが、世間一般では裏物と呼ばれる機械だと知った。
メーカーは『○砂』の『○ーゲット7』私の裏物人生の記念する第一号だ。
谷は私に機械の操作手順を教えてくれました。
モーニング機能と、ハマり機能が付いた、当時では最先端の機械でした。
当然違法行為で、警察にばれたら店は営業停止になり、携わった人間は逮捕されます。
部長はその責任を私に被せる気なのだと、谷は私に言いました。
私はその話を聞いて、パチンコ業界の人間の薄汚さを感じました。
しかしながら、三十過ぎの男に楽な仕事も無い時に、手取りで35万の給料は簡単に捨てる事も出来ずに、私は流れに乗ってその日からその機械の設定担当になりました。
操作を順調にこなし、一週間が経った時、部長が私を食事に誘ってきました。
店の営業中に外出するのは初めてでした。
部長の運転でM市のフグ料理屋に向かいました。
車中で部長は、私の機械の設定を誉めました。
店に着き、料理を食べながらも私を誉めました。
正直少し呆れ気味に私は部長の話を聞いていました。
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