裏物屋

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部長は『今後はスロットの設定を全て任そう。』と私に言いました。 『設定料は30万』の一言で私の気持ちは決まりました。 その日から、閉店後の設定を私が受け持ちました。 それまで私の仕事は、機械の修理や従業員の管理・教育が主な仕事でした。 しかし設定を担当し初めると、それまで私を顎で指示していた店長も、私に対して『さん』付けで呼ぶ様になりました。 設定の仕事は本当に楽しく、私の性に合っていました。 当時ダイコクのデータベースが登場して、全国の機種別ランキングがあり、私は常にトップ5に入っていました。 そんなある日、機械が故障してしまい、私は谷に連絡をしました。 生憎な事に谷は東京に出張しており、直接作業をする人間と話をする事になりました。 作業をするのは橋本と言う男で、その夜やって来た。 橋本は、人当たりの柔らかい私と同年代の男で、私に作業の手順を解りやすく教えてくれました。 私達二人は短時間で意気投合してしまい、直接の電話番号交換して別れました。 2週間程後、機械が故障した時、橋本が東京に出張しており、作業が出来なくなってしまった。
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