芳野 綾織

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まどろんだ気持ちの良い感覚にまだ起きたくないと私の頭は訴える。 だけどケータイの着信は何がなんでも止まる事を知らないらしい。 「…ん゛ー、」 本当に19際かと疑いたくなるような、人には聞かせたくない声を発して起き上がる。 近くにある目覚まし時計に目をやれば短針はまだ6の数字を指していた。 こんな時間に誰だ。そうまだ覚醒仕切ってない頭で考える。…って言っても知らないからわかんないけれど。 わんわんと喚く最近の流行の曲に頭を抱えた。先程からもう随分と経っているのに一方に鳴り止まない。 仕方なく鳴り続けるうざったいケータイを開けばディスプレイには『ちせ』の文字。 誰だ、これ?なんて小首を傾げつつも通話ボタンを押した。
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