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俺が情けなく眉毛を下げて下を向くと、火炎さんはため息を吐く。
「……ごめん、怒っている訳ではないんだ。ただ、レイキック君は謎が多すぎるから」
「……ッ」
「……古代魔法を使ってしまったから、『城』へ行かなければいけないよ」
「城って……!」
今まで静かに聴いていたケイトが声を上げた。
『城』と言えば、示すものは一つだけ。
「“王の城”……。やはり、ですか……」
雪平が呟いた。
王の城は、“中央”と呼ばれるティアルーナ国の真ん中に位置する地域に存在している。
中央にはギルドの本部もあるし、何より、魔法の源といわれる『魔法樹』がある。
王の許可若しくは、賢者の認定無しに古代魔法を発動させたんだ、城に呼ばれて当然だろう。
しかし、王の城へ入城するなど、一般人にはあり得ないことだ。
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