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――罪人扱いされてしまうのだろうか
――レイヴァンがバレてしまったら……
そう考えるとかなり怖いし、不安になって胸が締め付けられる感覚になる。
でも、確かに怖いけれど、古代魔法を使ったことに後悔は無かった。
水宮を助けることが出来たから。
「大丈夫、今の王はとても優しい方だよ」
「それは僕も保証するよ、ソラ」
何故イレイルが保証出来るのかと訊きそうになったが、二大貴族のロディック家だということを思い出して納得した。
きっと何度か対面したことがあるのだろう。
だとしたら、もし俺が父さんと母さんと雪平と、レイヴァンに居た皆で普通に生活が出来ていたら、イレイルの様に王と面識を持っていたのだろうか。
「あれ? でも……」
「イレイル?」
イレイルが何かを言い掛けたが、どうやら“このメンバー”では言えない事らしく、口を閉じてしまった。
それは後で聞くことにして、俺は火炎さんに視線を向ける。
「……出発はいつですか?」
「明日だね」
「じゃあ学校には俺から報告しておこう。良いな、火炎?」
「頼んだよ、圭吾」
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