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……自由解散という木村先生の言葉で撮影会は再開。
俺たちは沢山の写真を撮り、先生二人との別れを済ませると、寮内に戻ってまとめてあった荷物を《ボックス》に仕舞った。
俺は母さんと雪平と、大人の姿に戻った奏が迎えに来てくれているから、待ち合わせ場所の校門の外に行かなければいけない。
寮の部屋を出ると、イレイルたち三人が待っていた。
「ソラ遅いってー」
「オレ、強くなって北部で彼女作るから! いつか紹介してやる!」
「ふふふ、ケイト君なら大丈夫」
水宮は俺の右隣に立つ。この位置が定位置になった。二人で目を合わせて笑うと、イレイルとケイトに冷やかされた。
「…………よし、じゃあ、帰るか」
「うん! 卒業おめでとう!」
「ついに卒業だー!」
「おめでとう!」
色々な話をしながら寮を出る。
そして、四人で校門を出た。
――四年前届いた入学案内書。あれが俺の人生の転機となった。
良いことも悪いこともあったが、俺たちの繋がりはこれからも消えることなく、仲間で、親友で、大切な存在であり続ける。
ふと空を見上げると青く高く、どこまでも広がっていた。
―完―
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