誘い

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初夏。 少し蒸し暑い雲のない夜。 そんな夜空の下のとある家の中。 坂本 ゆかりは学校の課題を、真剣な面持ちで進めていた。むむむ、と口元にシャープペンシルを当てて唸っている。 綺麗に整頓された家具類と室内に漂う柔らかな香りが、彼女の性格を表していた。 健康的な綺麗な肌に、肩まで伸ばした髪、細い手足、パッチリとした目、桜色の頬と、まだ幼い印象は残るものの愛らしい容姿の女の子だった。 「ん、終わり~」 ふぅ、と小さく息をつき、勉強道具を片付けていく。 その途中、脇にあるベッドの上の携帯電話が軽快なメロディーを鳴らした。 「メール?」 点滅する携帯電話を手に取り、カチカチと操作する。 画面には親友からの遊びの誘いのメールが映し出されていた。 「ん、"いいよー"……と」 明日は日曜日。特にやる事も無かったゆかりは、すんなりと快諾した。 一時に駅前に集合、という約束を結び携帯電話を閉じると、軽く背伸びをし、ベッドに寝転がった。
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