夢への道のり

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声優や、俳優を目指していた生徒たちは、自分の夢への道が断たれたショックを受けていた。 自分の夢のために演技、ダンス、歌の勉強やトレーニングができない。 ここに入るために、多額のお金を振りこんでいるため、別の学校に行くこともできないのだ。 その絶望を抱えたまま何日か生徒はもう授業のない学校の中をさまよっていた。 斎は家からこの専門学校に通っていたし、そこまでお金に困るほどでもなかったため、良かったのだが、紗江は学生寮を追い出され、新しく住むところを探さなくてはならなかった。 とりあえず安いところを探しまわっていた。 前から続けていたバイトを、週二回だったのを週五回していた。 そして無事に部屋がみつかり、そこに住み、バイトを続けていた。 彩穂は、下宿先の人がいい人だったため、そのまま暮らすことができた。 それから三人は学校が潰れてから一度も会うことはなかった。 そして、他の人は自分の家に戻ったり、友人の家に泊めてもらって、友人の家からバイト先に通い、どうにか夢のために頑張る人も居た。 学校が無くなってしまったことにより、同じ夢のために協力してきた仲間たちはみんな散り散りになってしまった。 一緒に舞台を作ってきた仲間とも…。
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