夢への道のり

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学校が無くなってから数日間、同じ夢のために一緒に頑張ってきた仲間ともう一度、頑張りたいと思い続けた生徒が一人いた。 斎は、みんなそれなりの力を持っていたと思っていた。 それなのに、学校が潰れたことによりその目覚めた力を散らせてしまうのはもったいない。 みんなの力をもう一度集めるためには、どうすればいいと考えていたが、いい案が浮かばず、バイトで忙しいとは思うが紗江に電話で相談することにした。 ちょうど紗江はその日バイトは休みだったようで、電話をかけるとすぐに出た。 「急に電話なんか掛けてきて、どうかしたのか?キミは生活には困ってないはずだが」 「別に生活に困って電話したんじゃないよ。紗江に相談があって電話をかけたんだ。」 紗江は斎が悩むなんて珍しいと思った。 人が悩んでいると、相談に乗ってくれたり、悲しそうにしていると励ましていた。 いつも笑っていて、あまり悩みなんてないんじゃないかと思っていたが、それは自分の思い込みだったのかもしれないと紗江は思っていた。 そして初めて紗江に相談してくれた斎の悩みを聞くことにした。 「どうしたの?キミが相談なんて珍しいというより、初めてだね。」
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