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「見えないものを信じるってのは性に合わないんだよ。見て聞いて触れることが出来れば信じてやる」
席を立って鞄を手に取る悠を見て、恵那も慌てて立ち上がった。
「ちょ、クロス!?あんた今日は暇なんじゃないの!?」
「バイトの時間が近付いてたりすんだよ。あっ、今日は冷えるから腹出して寝るなよ。それと明日は雨だから傘持って来い」
「なッ!?ね、寝ないわよバカ!!」
真っ赤になって怒る恵那を眺めつつ、悠は笑いながら教室から逃げるようにして去って行った。
「明日は雨か……」
今日は十二月二十三日……クリスマスイブは、天気予報では雨だ。
「イブ……晴れるかな」
恵那は心の中で、晴れることを望んでいた。
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