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弥高は土手の上を見上げると、人形の蛾が立っている。
その姿は人のそれとは全く違い、蛾としても程遠かった。
その姿は異様であり、怪人と言う呼び名のがふさわしい。
「う……あ……」
恐怖のあまり言葉を失う弥高。
「…ギギ」
蛾の怪人はこちらの方を指差すと怪人の背後から人形の黒い者が沸いてきた。
「ギィ」 「ギィ」「ギィ」
数は10人位だろうか、奴等はこちらの方に向かってくる。
ガッ ガッ
弥高は両肩を捕まれると土手の向こうからトラックが。
弥高はトラックへ引きずられてゆく。
「だがぁ」
弥高は両肩を掴む二人を振り払い左側にいた奴に殴りかかった。
黒い奴はその拳を顔面で受け止め、弥高の腹を殴った。
胃の中の内容物を吐き出し、弥高はその上に倒れた。
(忘れてた…俺、喧嘩すっごく弱かったんだっけ……)
弥高はトラックへ運び込まれ、そのまま何処かへ向け走り去った。
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