鉈は持っていません

9/32
前へ
/130ページ
次へ
まあ俺も子供の頃はサッカー一筋だったからこれしきのランニング位それ程苦では無いのだが、彼女は恐らく女子の中でも体力も筋力も相当上だろうな。 「あの……手……」 「え?あ!ごめんなさい!痛かった?」 いや……俺が言いたいのはそこじゃなく……って、別にいいか。 まだ手に余韻が残る中、ランニングしたおかげで時間に余裕が出来た。 もう学校はすぐそこなので、俺たちは並んで歩いた。 なんかこうしてると、端から見たらカップルかな? 「あの……お名前を教えてくれませんか?」 隊長!遂に私、名前を聞かれました! 「矢吹徹だよ。君は?」 「私は竜宮 沙耶(りゅうぐうさや)と言います。よろしくお願いしますね」 竜宮沙耶と名乗る彼女は、また俺に笑いかけた。 ドキッとしたのは内緒だ。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

680人が本棚に入れています
本棚に追加