鉈は持っていません

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「あ、私も日直だ!早くしなきゃ!」 姫は急にそう言い、急いで食べ始めた。 途中で喉を詰まらせた所は危うく萌え死ぬ所だった。 「お兄ちゃん、行ってきまーす!」 笑顔で手を振る姫に対して、俺も振り返した。 俺たちの住む桜崎市(さくらざき)は、ごくごく普通の街だ。 俺は家から通いやすい市内の桜崎高校へ通っている。 「おっと、俺ものんびりしてらんない!」 俺は食事を済ませ、洗い物、そして片付けを終わらし、戸締まり等のチェックをして、家から出た。 今回は少しばかりヤバい。 新学期早々遅刻なんかしていられないので、走ることにした。 バッグ片手にランニングをして、角を曲がった所で、急に誰かが飛び出してきた。 案の定、ぶつかった。
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