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駅に着いて 券売機で切符を買う
彼女が券売機で買う 1番端の1番高い切符で行ける街を 僕はよく知らない
その券売機の 中でも1番安い入場券を すぐに使うのに
大事にしまった
おとといに買った 大きなかばんを 改札に引っ掻けて
通れない君は 困ったように僕を見た
僕は目を 合わさないで頷いて かたくなに引っ掛かるかばんの紐を 改札から外した
響くベルが最後の 別れを告げる
君しか居ない 君を待っていたかのように ドアが開く
何万歩よりも 意味があって 距離のある一歩を 踏み出して 君はこういった
「約束だよ…必ずいつの日か また会おうね」
答えるのに 苦しく成って
俯いたまま 僕は過ぎ去る電車に 手を振った
間違いないじゃない…
あの時君は…君は
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