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線路沿いの 下り坂を
風よりも早い 勢いで飛ばして行く
君に追い付こうと思って
錆び付いた車輪は 悲鳴をあげながらも
精一杯列車と並ぶ
けれど無情にも ゆっくり離されていく
泣いてただろ あの別れる時に ドアの向こう側で
顔見なかったけど 解ってたよ
声が震えてたから
僕は列車に向かってこう言った
約束だよ!必ずいつの日かまた会おうね!
離れてく君に 見えるように 大きく手を振った
明るくなりだして 街は賑わいだしたけれど
僕は世界中に
一人だけみたいだな
と小さく零した
錆び付いた車輪は 悲鳴をあげて 残された僕を ゆっくり運んでいく
錆び付いた車輪に
残されたのは
微かな温もり
End
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