いとしい響子さん

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まあ僕は福岡にいるただの男なんだが こないだ妹と居酒屋に行った時の 妹のとんでもない一言 「聞いて聞いて!アタシ長女じゃなくて次女だったよ」 突拍子もない一言 たった一人の妹の言葉 一週間前、まさかの入籍で名字が変わり本流高村家の家柄が途絶えてしまった従姉の真亜沙さん(妹はまっさーまっさーと呼んでいる) と私も含めてわが一族は特殊な家系である。 鹿児島時代の私 私の中学・高校時代の谷山での話はあまり話していない 今日は響子さんのことを話そう 田中響子さんに初めて会ったのは祖母の葬式の日 私が中学三年生の秋の時であったと思う なぜ「思う」であるかというと私が3.4歳の時、車座の本邸で会食パーティを開いた時、いっしょに遊んだかもしれなかったからである 高村家は医者の家系ではなく、武士の家系である それなのになぜ親戚に医者が多いかというと 鹿児島で内科、眼科、精神科、歯科などに代表される総合病院を開業している川口家にばあちゃんの義理の姉二人が嫁いだからである ばあちゃんの姉さん二人は鹿児島で一番美しいと評判だったらしい
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