It seems to be totally an angel

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そんな格好のいい姿を見せ付けられると 邪魔な髪をピンで留めて 何かの安売りで購入した 茶色いゆったりとしたスウェットで 身を包んでいる自分が何だか みすぼらしい…… 人はみかけによらないって 昔の人が言よったやんか!と 自分をなぐさめて沸騰する湯を止めた 「あ、そうや、今日雪積もっとったね」 そう俺が言い出したのは 昔ハイドが雪が好きだと言っていた事を 思い出したから ハイドの座っている椅子が ギシッと鳴ってハイドは口開く。 「せやんな、寒くて本当たまんないよ」 苦く笑ってそういった もっと違う言葉を期待していた俺は 見えないように眉をしかめた。 二つ並んだコーヒーカップに 注がれてゆく湯の蒸気が 顔にまともにぶち当たる。  
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