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教室に入ってすぐ自分の席に走り出す。そして、机の中を探って目的のものを見つけた。
「あったぁー!」
学校だという事をすっかり忘れ、笑顔ではしゃぐ姿はまるで子供のようだ。
手にした携帯電話を素早く開いて確認すると、メールが10件ほど届いている。希美はここが学校だということを忘れ、夢中で返事を送った。
半分くらいまで返信してからはっと気がついたように手を止める。
(学校で携帯使っちゃった。まぁ、どうせ誰もいないんだからいいよね)
そう思った瞬間、
学校の南棟、4階から青白い光が眩く照らす。
希実は、はっと顔を上げ携帯をしまった。青白い光がなんなのか気になったようである。夜の学校だから、警備員の懐中電灯かもしれない。
しかし、希実は不思議とそんな気がしなかった。
もっと別の何か……。
体中に緊張が走り、心臓がドクンと音をたてるのがはっきりと聞こえる。声を殺して様子を窺った。
すると、再び青白い光が校舎を明るく照らす。希美はその光景に見入ってしまった。
(あの光は何……?)
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