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控え室に通されると、そのボーイは自己紹介をしてくれた。
『俺、幸広。みんなユキって呼んでるから蘭ちゃんもそう呼んで?』
『あ…はい。』
『店長来るまでちょっとここで待ってて。俺は、準備とかしなきゃないから。』
ユキは無邪気な笑顔を残して、部屋から出て行った。
程なくして来た店長は綺麗な女の人を連れて来た。
しばらく私の教育係をしてくれるという綺麗なお姉さんは、キツそうな見た目とは違い、とても気さくな人で私はすぐに打ち解けられた。
店のドレスに着替え髪をセットしてもらうと、あっという間に開店の時間になっていた。
………ー
その日一日、私は何を喋ってどんな顔をしていたか分からないほど、いっぱいいっぱいだった。
ちゃんと笑えてたのかさえ、分らない。
お酒もどの位飲んだのか分からない。
でも、これからここが私の住む世界なんだ…
って実感した。
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