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これは何という気持ち?何という名を持つ感情?
その答えは榛色の瞳にあった。
そう。
初心なふたりに恋の始まりを告げたのは、互いの瞳に宿りし言葉。
そこには、偽りなき真実の想いがあった。
真摯な真摯な想いがあった。
熱を帯びる二対の瞳。
一途な想いを互いの瞳に宿らせて、見交わす瞳。
愛しい――――。
そこで初めて、自分たちが引き返せない恋に落ちたことを悟った。
「あなたの名を」
椎名の甘く促す声音。
ああ。出逢ったばかりだというのに、なんと心を振るわせる響きであることか!
愛しさが堰を切ったように溢れだす。
それでも胸を占める不安。
横たわる現実の重みにフィリスはまた、泣きたくなる。
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