死

少年

（少女B）
　徹夫なんか、死んでよかった。
　私の気持ちなんか、ちっとも分かってくれなかったんだもの。
　C子のことしか、考えていなかったんでしょ。徹夫は。
　いいえ、焼き餅を焼いているんじゃないわ。
　だいたい、女の子の気持ちなんか理解しようともしない人なんだから。
　頭だけよくても、だめよ。
　いい気味だわ。きっと、C子に振られたんで自殺したんじゃない。
　あーあ、私、また、いい人探すわ。
　バイバイね。

（少年C）
　俺、徹夫のことほとんど知らなかったな。
　同じクラスなのに、おまえは、何たってずば抜けた存在だったからな。
　俺なんか、とても相手にしてもらえなかった。
　だから、おまえが自殺しても、特段、何も感じないな。
　クラス委員が変わることくらいか、俺にとっての変化はね。
　まあ、何で自殺したか知らないけど、おまえのおかげでクラスがすっかり暗くなってしまったよ。
　そこまで考えてのことだったのかい。
　優等生なんだから、物事、よく考えてから行動してもらわないとな。
　まあ、仕方ないか。今回だけは許してやるよ。
　成仏しなよ。