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２００３年９月１２日 夕方
横断歩道を渡っていたとき
・・・突然左折車が突っ込んできた
キキキキーーーー
オレのすぐ側で止まった
思わず身体が硬直した
身体が自然に車を避けようとしていた
何で？
キキキキーーーー
車が止まったとき・・・
心がふっと軽くなった
どうして避けるの
このまま死んでもいいじゃん
キキキキーーーー
車が止まったとき・・・
どうして止まっちゃったの
張り合いのない人生
もういい加減いいじゃん
キキキキーーーー
車が止まったとき・・・
死んだって誰も困らない
もう十分生きてきた
人生いい潮時じゃん
キキキキーーーー
車が止まったとき・・・
もう解放されたい
煩わしいことはいやだ
オレの勝手じゃん
キキキキーーーー
車が止まったとき・・・
オレは宙を歩いていた
とても柔らかな空気に包まれていた
なかなかいいじゃん
キキキキーーーー
車が止まったとき・・・
心をよぎる人がいた
待て、待てよ
死んじゃっていいのか
キキキキーーーー
やっぱり、車が止まったとき・・・
オレは生きていた
オレは生きようとしていた
そこにはいつものオレがいた
やっぱり・・・
何となくだけど・・・
生きてた方がいいじゃん
キキキーーー
油の切れたドアが鳴く
真っ暗な部屋が
お帰りなさいと言う
オレは明かりを求めて
すり足で進む
慎重に、慎重に
カチッ
パッと目の前に広がる現実
ただいま・・・
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