宣告

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ここで、あなたが死の門出を迎えたとしましょう。  あなたが社会での何の肩書きもなく、誰の後ろ盾もなく死を迎えたとします。  その時、あなたの人柄に惹かれ、そして、あなたの生き様を賞賛してくれる人達がいたら、それであなたは安らかに息を引き取ることができるのではありませんか。  葬式にわざわざ来てくれなくても、香典を出してくれなくてもいい、あなたの死にそっと涙をながしてくれる人達がいれば満足できるのではありませんか。  このことこそ、真にあなたの素晴らしい生き様を物語っているのです。 *****  人は、一人で生きる生物ではありません。複数の人という生命体が相互に刺激し合って、そこに初めて人としての価値生まれ、人としての生き方が生まれてきます。  地球上にただ一人で生きているならば、その暮らしぶりは誰にも問われません。何も考えずに、好きなことをやって生きていけばいいのです。  ところが、それが2人になった途端、そこに規律が生まれます。そこに人間らしさが生まれます。  この人間らしさに基づいた生活をすることができない者、すなわち、他人を思いやる心のない者は、人間としての資格はありません。  そんな人間の生き様は、惨憺たるものとなります。  どんなにいやでも、あなたは人間社会に生きている、あなたなのです。たまたま、今という時を生きているだけなのです。そして、普通80年も生きれば、そこで影も形もなく消え去るのです。  人は、この事実を認識することが必要なのです。  ******  何はともあれ、自分に授かった僅かな人生を大切にしましょう。  この貴重な時間を、積極果敢に「素晴らしかったな」と満足できる人生を目指して突き進んでいきましょう。  今、あなたにこのような気持ちが、このような意識が生まれれば、これからの人生は、どんなにか素晴らしいものになっていくことでしょう。  人類みんなが、あなたを見つめ、そして、あなたに期待しています。  ・・・さあ、手遅れにならないうちに。  
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