少年

2/9
前へ
/20ページ
次へ
 それは、若い命だった。  この世に生を受けて18年、早すぎる死だった。    彼は、誰からも期待されていた。  両親も、親類も、そして教師も、彼の将来に期待していた。    そんな彼。  なぜ死を急がなければならなかったのだろうか。  18才の青春。  充実の日々、華やかな日々。活躍の日々。彼を知る人々の目には、こんな彼の姿しか見えなかった。  しかし、人知れず、悩み続けていた彼。  誰がこんな彼を想像しただろうか。  誰も本当の彼の心を知らなかった。  誰にも相談できず、そして、大人になれなかった彼。  ついに、自殺の道を選択してしまった。  今、静かに横たわる彼の姿に、多くの人々のつぶやきが聞こえる。  寂しすぎる一日が、始まる。 ******************************
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加