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暫くは克也がまだ起きている気配がしたが、物音が消え、ボリュームを抑えたテレビの深夜のお笑い番組だけが部屋に響いた。
そっと克也の部屋を覗くと、スースーと寝息が聞こえ、完全に夢の中だと確信した。
その時のさくらはまたケーキを切って食べていた。
なんで、こう、女って甘い物が好きなんだ?
でも、美味そうに幸せそうな顔は見ていて飽きないけどな。
さぁ………
さくらにプレゼントを渡して、自分の今の気持ち、これからの事……
全て伝えよう。
「さくら…誕生日おめでとう。」
俺はピンクのリボンのついた小さな箱を、そっとさくらの前に置いた。
「あ…ありがとう。開けていい?」
「勿論!」
さくらはフォークをおき、リボンに手をかけた。
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