ヒノアタル場所

4/10
前へ
/140ページ
次へ
暫くは克也がまだ起きている気配がしたが、物音が消え、ボリュームを抑えたテレビの深夜のお笑い番組だけが部屋に響いた。 そっと克也の部屋を覗くと、スースーと寝息が聞こえ、完全に夢の中だと確信した。 その時のさくらはまたケーキを切って食べていた。 なんで、こう、女って甘い物が好きなんだ? でも、美味そうに幸せそうな顔は見ていて飽きないけどな。 さぁ……… さくらにプレゼントを渡して、自分の今の気持ち、これからの事…… 全て伝えよう。 「さくら…誕生日おめでとう。」 俺はピンクのリボンのついた小さな箱を、そっとさくらの前に置いた。 「あ…ありがとう。開けていい?」 「勿論!」 さくらはフォークをおき、リボンに手をかけた。
/140ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1061人が本棚に入れています
本棚に追加