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「あ……かわいい。これって……桜?」
「うん。さくらだから桜の形の指輪。」
「綺麗…ありがとう。」
「貸して……俺がはめるから。」
そっと指輪を取り出し、さくらの左の細い指に桜の指輪をペアリングの上からはめた。
花びらがダイヤで形とられてキラキラとさくらの指で輝いた。
「さくら、僕と結婚してください。」
「え?」
さくらは目を見開いて、じっと俺の顔を見据えていた。
暫く沈黙。
俺はまた続けて言った。
「結婚してください。克也と親子になりたい。
さくらと夫婦になりたいんです。」
さくらはまだ驚いたような信じれない、といった顔。
目を見開いたまま
「結婚……?私と?」
俺は笑顔で答えた。
「勿論、さくらしかいないよ。
俺じゃ嫌?」
プルプルと顔を横に振り
「わ、私で……いいの?」
「さくらしかいない。その桜の指輪が婚約指輪のつもり…。
あんま高くないけど…。」
「………うぅ。ぐず……。嬉しい……。」
涙をぽろぽろと流して笑うさくらを抱きしめ、キスをした。
親父、やっと言えたよ。
俺はこれから、さくらと克也と3人で生きていきます。
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