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男は ソワソワした様子でベッドに腰かけ 咲羅に目をやる。
『最初に持ってる情報をちょうだい』
咲羅は男の前に立ち 見下すような視線を向けた。
一瞬 男は迷った表情を見せたが 咲羅の『約束は守る』という言葉に安心し口を開いた。
『オレが手に入れた情報は名前……』
男の言葉に咲羅の口元が緩んだ。
名前…。
やっと名前までたどり着いた。
今まで手に入れた情報は『年齢』『両親の名前』『学校名』など。
どれも相手を確定するには不十分なような気がしていたのだ。
相手が誰であろうと『その男』の『名前』を知ってるいるだけで咲羅にとっては極上の相手になる。
『教えて…。
名前』
咲羅は 優しく微笑んで男の頬に触れた。
咲羅の柔らかな手の感触にですら興奮するように男は鼻息を荒げて その名前を口にする。
『沢田 蘭丸…』
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