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「何言ってる?お前さんの頼みじゃろ。」
「そうですよ。貴女が言い出したんです。それに四階から飛び降りたくらいじゃ死にませんって。何なら私も飛び降りましょう。」
「お、流石会長じゃ。一緒に飛び降りてくれるんか?」
「やだ…高遠くんにもしもの事があったら私…だからやめて。」
「それは出来んよ。お前さんに誠意を見せんといかんじゃから。」
「もう充分だから。」
「その言葉忘れんでな。」
そう言うと窓から飛び降りるのをやめた。
「大丈夫です。いざとなれば私が証人になります。
だいたいなんで私が飛び降りるのを止めてくれないんですか?詐欺師と生徒会長の命どっちが大切ですか?」
「いや、会長は飛び降りても怪我一つ負いそうにないと思うんよ。」
「高遠先輩は黙って下さい。私は蓮井先輩に聞いてるんです。」
そう言う彼は今まで以上に威厳のあるオーラを出しており逆らうことを許さない。
「わ、私は高遠くんが、詐欺師と名高い高遠くんがここまで私の為にしてくれて…本気なんだって…」
そんなオーラにたじたじになり、やっとの事で言葉を紡ぎ出していると
「始めから私の負けだったんでしょう?」
と意味ありげに呟いた。
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