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「お帰り。こっちは見てのとおり、今は休憩中。そっちはどうだった?このチビ妖精のほうが先にタドのことを知らせていた?」
「穴から出てまっすぐにアランの城に向かったはいいけど、道中魔物だらけ。馬を借りてなんとか城に辿り着いても、タドは侵攻どころか魔物からの攻撃を受けまくってアランに救援を求めていた。あのタドの騎士は王から命令を受けて実行したんだろうけど、タドは自国を守りきることもできず、壊滅してしまうだろう。アランも自国の民を守るだけで精一杯になっていたから。
そこの妖精とはノアっていう四大魔法騎士の女がアランの城にきて会った。俺たちよりもその妖精のほうが素早い行動ができていたみたいだ」
アベルは話してくれてオレは頷き、やっぱりあっちの世界にも何人か戻ってもらったほうがいいのかと思う。
アリアは…ラルシュオンがいる。
オレは戻らなくても大丈夫だ。
ラルシュオンはオレにはオレのするべきことをと求めている。
「オレ以外にもう一人の黒騎士が先に進んでいる。そいつと合流したあとに、3つくらいに隊をわけようと思う。もしもおまえらが疲れているなら今のうちに休んでいてもらいたい。アベル、おまえにはその黒騎士と一緒に敵の本拠地とも言える参謀とグランディーネの居場所を見つけて、どんな様子なのか見てきてもらいたいと思ってる」
「……隊長らしくなってきたじゃないか。了解」
アベルは軽く笑って了承して、一緒に行動していた騎士と顔を見合わせ休むことにしたらしい。
オレはその様子を見てから、扉と鍵の人員部分を削って、レーネの言葉でいう人界へいく者ということにするかと考える。
魔石もこっちにいるより、人界にいたほうが集まりやすそうだ。
グランディーネと対峙することになったときに、羽の力でティンカーベルに動いてもらって人を集めることはできる。
今はまだすぐにはグランディーネを目指せない。
どこにいるのか。
ここがどんな場所なのか何も把握できていないのだから。
少しの時間でも人界のほうも手を回していかないと。
帰る場所なのだから。
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