第一章

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「第二戦は最強の吸血鬼!? 最強の二文字はまさに彼女の為にあるようなもの!! 花蓮選手!! 対するは正に武術の申し子!! 魔人の癖に魔法はイマイチ!! 一戦目から為す術もなくぼろ負けした姉の仇はとれるのか!? ティオ選手!! さぁラウンド2!! ファイトォ!!」 カーン 鐘が鳴ると同時に花蓮がうっすらと嗤いながら言う。 「お姉様があんなダサい負け方してかわいそうですわね」 「おおーっと!? 早くも花蓮選手挑発だぁ!!」 それに対してティオは奥歯をかみしめる。 「はあぁぁぁあ!!」 ティオが一瞬で間合いを詰め二振りの剣へと変化したプリマ・マテリアωを握りしめ袈裟切りに振り切る。 「あらあら、怖い怖い。なんて凶暴な剣技なのかしら」 花蓮がさらりとかわし更に挑発を重ねる。 「くっ」 続いて逆袈裟に振り上げその反動を利用して回転し左から腹を狙って豪快にぶん回す。 「その程度では私を捉えられなくてよ?」 そういいつつ花蓮がやや振り下ろす格好で拳を打ち込む。 それは確かにティオに直撃するはずのスピードで打ち込まれたはずだが実際には残像を抉るだけだった。 「なっ!?」 「はあっ!!」 突如として花蓮の背後へと出現したティオは右手の剣をメリケンへと変化させ脇腹へと叩き込みつつ左手の剣を日本刀へと変化させ首を撫で斬りにしようとする。 「中々やりますわね。この私にかすり傷とはいえ傷を」 「リシャール師匠直伝」 言い終わる前にティオは突っ込もうとする。 「くっ、させるもんですか!!」 それに対して花蓮は魔力に因って構成された真っ赤な弾幕を展開し接近を阻止しようとする、 が全てをするするとすり抜け花蓮に肉薄する。 そして 「日本刀奥義『紅蓮一文字』!!」        † 「くっ、侮って…いましたか…姉があの程度だから妹もと…」 倒れ伏した花蓮が呟くように独白する。 「別にお姉ちゃんも油断してたから。 油断大敵て言う言葉があるのにね」 静かにティオが告げる。 「私は…そんな言葉は聞いた…覚えはありませんが…」 花蓮が皮肉な表情で呟く 「勝ったのに納得したよ」 やれやれといった様子で言うティオ 「圧倒的に勝利を飾ったティオ選手!! リシャール校長直伝の技はとてつもなく強かった!! さぁお次は第三回戦だよ!! 選手は準備をしてね!!」
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