ブラコン、更生。

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私が思うに、ブラコンは非難するようなものではないと思う。 寧ろ、血を分けた兄を好きなのは、とても微笑ましいのではないだろうか。 「お兄ちゃん!お弁当忘れたでしょ!お母さんから」 「お、悪いな。サンキュ」 「へへ、どーいたしまして」 故に私は、兄を愛す。 「…ブラコン」 「褒め言葉として受け取っておくよ」 「褒めてねーよ」 そう言う健太郎は、何やら拗ねたような顔で頬杖をついている。そんな拗ねた顔したって駄目。お兄ちゃんは絶対に渡さないから。 それに多分、お兄ちゃんにそっちの気はない、はず。 うん、ない。…うん、きっとない。多分、ない。うん。 「…健太郎、お兄ちゃんは渡さないよ。それに言っておくけどお兄ちゃんにそっちの気はない」 「ちげーよ何変な勘違いしてんだ!そっちの気って何だよ。そんなん俺もねーよ」 じゃあ何故。そう聞いたら、健太郎は「お前には教えねーよ」と言って机に突っ伏した。何だよけちめ。
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