ボクが子供なの…

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   台所から聞こえてくる小気味良いリズム。真琴は、陸をソファーに横たえると気絶しているうちに、朝ごはんの支度を始めた。        陸が目を覚ますまでに、そう時間は要しなかった。陸は起き上がると、ソファー越しに姉の姿を窺った。朝の定番、豆腐のみそ汁が、出来上がったようで、今は薬味のネギを刻んでいるようだ。    タンタンタンタン♪    再び小気味の良いリズムと、微かに聞こえてくる鼻声。花のように香り高く、そして控えめなメロディー。それが朝の風景とマッチして、一日の清涼剤のように聞こえてくる。   …ネギは嫌いだなぁ。陸は全く別のことを考えていた。
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