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「あ、陸大丈夫?痛いところとかない?」
てこてこと近づく陸に一足先に気がついた真琴がしゃがんで陸に目線を合わせ、陸の後頭部を両手で包み込んだ。
(僕の後ろ頭になにかあるのかな…?)
陸が後ろ頭に手をやると、丁度真琴の手の甲に触れた。
「…?どうしたの、陸?やっぱり頭痛い?」
「うんん………、なんでもない」
「……そう…、……なら良かったっ」
僕に手伝えることない?
陸は本来、台所まで来た理由を思い出した。断固ネギ阻止!!陸にとっては、これは目前の大きな問題であった。しかし、ネギすら些細な問題に思えてしまう。そんなことも思い出していた。
(というより、分かっちゃった…)
真琴の顔を近くで見た瞬間、違和感と記憶の断片が繋がった。
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