いきなり!?スピン!そしてオフ!!

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 真琴が首だけで振り向くと階上に弟の陸が目を擦りながら立っていた。    陸は小学2年生で、昨日の夜は真琴に手伝ってもらいながら、遅くまで春休みの宿題を片付けていたため、まだ眠いはずだ。  「りっくん、まだ寝てて良いよ」  これまで陸は長期休暇の宿題をギリギリまで溜めるような子ではなかった。だから、今回はたまたま。そう、陸は今日から3年生になるため、急に増えてしまった宿題の量に驚いて宿題をやるペース配分を間違えてしまっただけなのだ。  真琴は、そう考えた。でなければ弟の宿題なんて手伝うはずがない。とか思いつつ、いざ頼られると断れなくなってしまうのだが、彼女はそんな自分の隠れ姐御肌な部分に気がついていない。    今回のことで陸が味を占めて、自分で努力することを怠るようにならなければ良いが。  ふわぁわ。それにしても眠い。真琴はもう一度欠伸をして寝ぼけた眼で、ちっとも部屋に戻る気配のない陸を眺めた。
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