16人が本棚に入れています
本棚に追加
昨夜、陸が真琴に宿題の手伝いを頼んだ時、真琴は嫌な顔一つせず手伝ってくれた。本当は陸のことを思って数瞬かは逡巡したものの、結局は笑顔で弟の頼みを受け入れてくれた。陸はそれだけでもすごく嬉しかった。
自分が悪い子だということが分かっていたから。本当は怒られるんじゃないかって心配してたから。
だから、真琴に迷惑をかけたことを、心の底では恥ていたのだった。
そして、今朝の真琴はやはり眠そうである。所詮小学3年生の宿題だったため、夜遅くといっても夜の3時までだったが、真琴にとってはもう寝てて良い時間だった。
「ごめんね…お姉ちゃん」
「…ふぇ?」
「迷惑かけて…」
二言目にして、ようやく言葉の真理を理解して、真琴は慌てて首を振る。
最初のコメントを投稿しよう!