いきなり!?スピン!そしてオフ!!

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   どうして!?  痛みを感じるより先に体が動いた。落ちてくる陸に向かって手を広げ、捻った足が痛みを訴えても、構わず陸を受け止める体勢に入った。  その胸に。中学生では脅威の胸囲Eカップの胸に。  吸い込まれるようにして陸が落ちてくる。抱きしめる。  過程を見なければ、陸が空から降ってきたかのように見えただろう。真琴も、まさか弟が降ってくることがあるだなんて予想だにしなかったに違いない。  真琴は弟を抱きしめて、女の子の体が羽根のように軽いなんて嘘だというセリフを思い出していた。  そりゃそうだ、と真琴は思う。しかし、陸の身体は羽根のように軽く感じた。重力加速度プラス陸の体重が、実際に感じる体重なのだから、実際は重く感じるはずなのに、まるで羽根のように、というより羽根がついて飛んじゃってるかのように、っていうか自分飛んでるんですけどっ!?  その時はじめて真琴は自分の状態を把握した。陸を受け止めた真琴は、その勢いで背後に吹き飛ばされていた。
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