story1

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桐生くんの告白から、まだ昼にもなっていないにも関わらずこの人だかり だてに王子じゃないな と、一向に減る事を知らない生徒数を見て今更だが実感した 「これだけの人が居れば、その内嫌がらせあるんじゃない?」 「だろうね」 「さすが余裕 やっぱ、黒お―――っ」 あわが、からかうように言いかけた言葉を、私は慌ててあわの口を押さえ静止する 「ちょっと! それは秘密よ、秘密!! 誰かに聞かれてたらどうすんの!」 私がキョロキョロ辺りを見回していると、あわの手が私の手をはがすと 「苦しいって!!」 と、怒った 「ごめん、ごめん」 「ったく… さくらの力でやられたら死ぬよ」 「大袈裟な」 と、呆れる私 「そんな必死に隠す事でもなくない?」 「なくないっ! 男より強い女は絶対ダメなんだから!」 「古っ そんな事に拘る男は器が小さいだけよ」 「そうは言っても気にするのが世の中の男なの とにかく、この事は秘密!」 あわに釘をさすと、あわは呆れながら「分かったよ」と承知した
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