story1

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あわの言葉に続くように、授業開始を報せるチャイムが鳴ると、窓越しに溢れていた人影は一気に引いて行った 「はぁー」 と、小さな溜め息が溢れた 『そんなに必死で隠す事でもなくない?』 あわは、そう言うけど絶対隠なさきゃ…! 空手の練士5段なんて。。。 (※練士=武道において第3位の称号の事) 昔は段が上がるにつれ嬉しくて隠すなんて事、考えられなかった 私の父は、空手の道場を開き、子供から大人まで幅広くの人に教えていた 私はそんな父が、好きだったから、自然と父に空手を教わり、実力もついた だけど、高校に入り学年が上がるにつれ空手とは疎遠になった 今でも空手は凄く好き だけど“男より強い女は引かれる”って事実を、この3年で知ったから これ以上強くならない為に空手は封印する! これからは弱々しい女を演じて彼氏ゲットするんだ! って、決めて、やっと念願の初カレ! しかも!我が校の王子様だなんて、一生に一度あるかないかの奇跡! 絶対、この秘密だけは守り抜いてみせる! 心の中でグっと力を込めガッツポーズ
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