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あわの言葉に続くように、授業開始を報せるチャイムが鳴ると、窓越しに溢れていた人影は一気に引いて行った
「はぁー」
と、小さな溜め息が溢れた
『そんなに必死で隠す事でもなくない?』
あわは、そう言うけど絶対隠なさきゃ…!
空手の練士5段なんて。。。
(※練士=武道において第3位の称号の事)
昔は段が上がるにつれ嬉しくて隠すなんて事、考えられなかった
私の父は、空手の道場を開き、子供から大人まで幅広くの人に教えていた
私はそんな父が、好きだったから、自然と父に空手を教わり、実力もついた
だけど、高校に入り学年が上がるにつれ空手とは疎遠になった
今でも空手は凄く好き
だけど“男より強い女は引かれる”って事実を、この3年で知ったから
これ以上強くならない為に空手は封印する!
これからは弱々しい女を演じて彼氏ゲットするんだ!
って、決めて、やっと念願の初カレ!
しかも!我が校の王子様だなんて、一生に一度あるかないかの奇跡!
絶対、この秘密だけは守り抜いてみせる!
心の中でグっと力を込めガッツポーズ
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