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次に読みたいファンタジーコンテスト「旅」

講評者の三村美衣氏からのコメント =====  ファンタジーを読むということ自体が、ここではないどこかを探す旅のようなものであり、今回の「旅」というテーマとファンタジーは極めて相性が良い。異世界冒険ものから、行商人の旅を描いた連作、人生そのものを比喩的に旅と捉えた作品まで、さまざまなエントリーがあった。惜しくも選からはもれたが、芭蕉の旅を題材とした、まーほん『奥の細道 うためぐり』、山田風太郎を彷彿とさせるMaro『秘宝の護衛者』、遊園地の観覧車が仲間を探してたびに出る赤羽道夫『観覧車キャサリンの冒険』、錬金術師とゴーレムの親子が放浪の旅を続けるAKINONA『アルケミリオン 錬金術師とその娘の話』なども面白く読ませていただいた。  さて入選の3作だが、『アラディア、あるいは死神の物語』は人の生死が見える旅の薬屋を主人公とする連作長編、『世界の終りであなたが竜と舞うなら』はペルシアの砂漠を舞台にしたハイファンタジー、『ゴブリンBが世界最強になるまで』は世界を救ったのに目覚めたらゴブリンになってしまった勇者を中心とする群像劇。甲乙つけがたい3作品ながら、完成度で『アラディア、あるいは死神の物語』を大賞とした。 ===== 受賞作品への選評や見どころを一部掲載! また、エブリスタのメディアmonokakiにて、講評者の三村美衣氏よる創作ハウツー「新しいファンタジーの教科書」を連載中です! 第6回は「旅に出よう! ファンタジーの神髄」も、ぜひ読んでみてください。 ※選評は登録されたメールアドレスへ近日中にお送りします。 ※SNSアカウントで会員登録されている場合、エブリスタトップページ上部「現在、このアカウントは仮登録の状態です。本登録はこちら」より、メールアドレスの設定をお願い致します。

大賞

黒い布で美しい顔を隠し、置き薬を行商する薬屋のアラディア。彼女が隠しているのは顔だけではなかった。彼女には、人の生死が蝋燭の炎として見え、さらにその炎を移し替えるという死神のごとき力が備わっていた。物語は咳に苦しむ青年との乗り合い馬車での出会いから始まり、行商先での客との何気ない会話から、やがて人の生死の絡む問題へと踏み込んで行く。人の意思とは関係のないところにあるはずの生死や人の運命を捻じ曲げる恐ろしさと、それでも変えたいと願う人の強い想い。善悪や功利で図ることのできない問題を、ときには残酷にときには優しく描き出す。それぞれのエピソードもドラマチックだが、物語が進むにつればらばらだった人々の運命が絡み、アラディア自身の出自へとつながる構造も見事だ。

準大賞

竜のまなこを煎じて飲むとどんな病も治る。交易商人からそんなうわさ話を聞いたシェリアは、喘息に苦しむ妹リフィアを伴い竜を探す旅にでた。ところが、沙漠の国でシェリアは理由も告げずに忽然と姿を消してしまう……。末子相続の慣習によって、家督を継ぐ者として育てられたリフィアと、闊達な性格から姫将軍として皆から慕われるシェリア。ヴェールで顔を隠した2人の姫君が竜を求めて沙漠を旅するイマジネーションの美しさで目を引き、その1人が姿を消すことで物語は大きく動きはじめる。なぜシェリアは姿を消したのか、竜は本当に存在するのか、そして《竜の末裔》とは何か。謎が解き明かされた先にドラマチックな結末が待つ。

入賞

世界を滅ぼさんとする悪に挑んだ俺は、最後の力をふりしぼって愛する人を転移魔法で逃がした後、自分の命と引き換えにして世界を救った。ところがある朝、死んだはずの俺が目覚めてみると、なぜか一匹のゴブリンになっていた……。嫌われもののゴブリンとなった元勇者は、人間に戻る方法を探す旅に出る。言葉はしゃべれず魔法も使えないが、元勇者の知識と技術に加え、ゴブリンの運動能力を得た主人公の、フィジカルな戦闘っぷりと、元勇者ならではの振る舞いは、旅の途中で出会った様々な種族をひきつけ、やがて魔族や人間など種族を超えた仲間が集まる。彼らは世界を変える原動力となるのか……。キャラも語り口も魅力たっぷり、今後の展開が楽しみな異世界群像劇。

佳作

出張先で神社に立ち寄ろうとした青年が霧にまかれて方向を見失い、気がつけばそこは現実にはありえない深い森の中。ゴブリンのスープの具材にされかけたところを、ひとりの少年によって救出されたのだが……。ひょんなことから精霊を身に宿すことになってしまった青年が、森を復活させるために四大精霊を開放する旅に出る。異世界往還型の冒険ファンタジーで王道展開ながら、ひとつひとつのエピソードに緊張感があり、読むものを引き込む。
地球温暖化の影響で雪が少なくなった山を離れ、より高く険しい山に住処をかえることにしたベテラン雪女のカエデ。妖怪見習いとなって3年、妖怪として生きていくか、人間に転生するかを決めなくてはならないキラリ。2人の妖怪が霊峰を目指して木曽路を旅する道中記。「雪女の山替え」という発想と、神様や妖怪たちの掛け合いが楽しい。
パイナップルが大好きで、毎朝、冷やしたパイナップル缶を食べるのが日課の僕。ところがある朝、冷蔵庫に入れたはずのパイナップル缶が見当たらない。消えたのは冷蔵庫の缶詰だけではなかった。僕の記憶だけを残して、世界中からパイナップルという存在が記憶ごと消されてしまったのだ。果物屋の娘びたみんと僕は、パイナップル復活の鍵、ラストワンを探してブラジルへと向かうのだが……。消えたのがパイナップルという、そのどうでも良さが絶妙。神話的不条理な笑いと生活感を伴うリアリティが混然とした饒舌な語りが楽しい。
画材の行商人と姫の出会いと再会を描いた掌編。翡翠を砕いて岩絵の具を作り、それで絵を描く。それだけの物語なのだが、翡翠色の絵の具で描かれた絵が生命を得て動きだすようなイマジネーションの豊かさが魅力だ。

募集概要

ファンタジー書評家「三村美衣氏」&物書きのためのメディア「monokaki」とコラボしてお送りする 「次に読みたいファンタジーコンテスト」 面白いファンタジーとは何かを探求しつつ、新しいファンタジー作品をどんどん発掘していきます! 【募集テーマ】 第七回目のテーマは「」です。 ★故郷の村を旅立ったレベル1の勇者。ところが村の周りには、超高レベルの魔物ばかり!どうやってレベルを上げる? ★見たこともない景色に惹かれて入った旅行代理店。そこで扱う商品は「異世界ツアー」!? ★幼い弟子に隣町へのお使いを頼んだ魔女。心配で尾行した彼女が見た、弟子の奇妙な行動とは? 「旅」の要素が入っていれば、どのような世界/時代設定のファンタジー小説でも応募可能です。 ページをめくる手が止まらなくなるような、ワクワクするファンタジー小説をお待ちしています。 また、あわせてエブリスタのメディアmonokakiにて、三村さんによる創作ハウツー「新しいファンタジーの教科書」を連載中! 第6回は「旅に出よう! ファンタジーの神髄」です。 「旅立ちの動機と目的は?」「旅の手段は?」といった、具体的なお悩みに答えます。 めざせ、テンプレ脱出!ぜひこちらも参考にしてください。

講評者プロフィール

三村美衣 ファンタジー、SF、ライトノベルの書評家として、長年の経験を持ち、数々のファンタジー・SFの小説賞の審査員を歴任。 現在も、創元ファンタジイ新人賞の最終選考を務める。 第一線で活躍する中で、次世代のファンタジー作品の誕生を待ちわびている。 著書『ライトノベル☆めった斬り』(太田書房/共著)、『SFベスト201』(新書館/共著)など。 2018年10月より、monokakiにて、ファンタジー小説の具体的な書き方を指南する「新しいファンタジーの教科書」を連載。

スケジュール

・募集期間: 2019年3月4日(月)17:00:00 ~ 2019年5月5日(日)23: 59: 59 ・最終結果発表: 2019年7月上旬予定

大賞 1作品 ・賞金5万円 ・三村美衣氏からの選評 準大賞 1作品 ・賞金3万円 ・三村美衣氏からの選評 入賞 1作品 ・賞金2万円 ・三村美衣氏からの選評 佳作数作品 ・三村美衣氏からの選評 ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。

応募要項

・文字数は5,000文字以上 ・連載中の作品も応募OK! ・すでに完結している作品 並びにエブリスタ内の公式イベント及び他サービス等の投稿イベントで落選した作品を、募集内容に沿うように再構成してご応募いただくことも可能です。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。

コンテストの注意事項(必読)