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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第128回「お父さん」
『お父さん』ほど、時代や環境によってさまざまに役割が変わっている存在もないのではないでしょうか。乗り越えるべき目標としての父親、頑固な昭和のお父さん、気弱でユニークだけどやるときはやるお父さん、子供にしっかり向き合って悩み苦しむパパ、DVや児童虐待……。世相を反映してか、ステップファミリーや義理の父、父のような謎の存在など、思った以上に幅広いスタイルのお父さんが集まりました。

大賞(賞金3万円+選評)

文学少年だった主人公は、偶然手に入れたクワガタに魅せられ、父と共に人生初の虫取りに挑戦します。クワガタとハチの攻防に息を呑みながら一気読みすること間違いなしです。クワガタの捕獲を軸にしながら、父から子へ自然の摂理や生態系の尊さが受け継がれていく様子にも思いを馳せられます。

準大賞(賞金2万円+選評)

紫色の芋虫のようなものを連れてきて「新しいお父さんです」と母は言った……。不気味な設定を深く掘り下げず、そういうものとして淡々と描く恐怖と物語そのもののグロテスクさ。しかし何となく身に覚えがあるような心のざわつきを覚えさせられ、何かの隠喩なのか、寓話なのかと思わせられました。出色の作品です。

入賞(賞金1万円+選評)

娘を失ったショックを引きずる男性が、木星探査の任務に志願して宇宙を旅します。SFとファンタジーが融合した世界観がとてもキャッチーで、かつ、思わぬ方向で主人公が救われる様子に涙しました。大切な人を亡くした経験のある人には響く作品かと思います。

佳作

夫からDVを受け続けていた妻。ひっそりとお笑い番組を見ることが彼女の楽しみだった。妻を亡くした夫は酒に溺れていたが、ある日見知らぬ人物から手紙を受け取って……。このご時世ならではの物語。ゾッとする部分もあり、スカッとする側面もあり、救いのなさに暗い気持ちになりながらもクセになるような後味の悪さをくれます。
子持ちの女性と結婚し、若い父親となった主人公。生意気な息子との距離が一向に縮まらないところへ、とある危機的な出来事が起こって……!? お話にスピード感があり、ドキドキさせられます。サブキャラとして登場する親子との対比もわかりやすく、食べ物などの小道具も物語に厚みを持たせているように感じました。読むと幸せな気持ちになれる作品です。
「おとうさんがどうぶつえんにつれていってくれました」。少女の日記にはやさしい父親との思い出が綴られている。しかし、そこには激怒した母親の様子も書き記されていた。少女の身に何が起こっていたのか? 時系列を追いながら読み進めていくと違和感がどんどん膨らんでいき、ここでようやく……と思いきやの最終ページに思わず声が出ました。
妻の連れ子であった娘。その娘が交際相手をつれてきた。素直になれない主人公は、本当の父親じゃないのだからできることなんかないのだとひねくれて、結婚式までの日々を逃げるようにして過ごす。しかし結婚式の日はどうやったってやってくるわけで……。血の繋がらない親子の物語としては定番ながらも、式のシーンにはグッと来るものがありました。そしてその後のお父さんの行動もコミカルで、必死でひたむきで、とても素敵な家族愛を描ききった秀作です。

超短編賞

亡くなってしまったパパ、亡くなって1年しか経っていないのに新しい男を家につれてきたママ。しかも、その新しい男の秘密に、娘は少しずつ気づき始める。SFともホラーともつかぬ、絶妙な位置取りの短編。書き切られていない真実の向こうに、どんな現実が潜んでいるのか想像するとさらにゾッとする感じがたまりません。

続きが読みたい賞

ロックスターの父親の再婚相手は、男性だった。それを知らされた息子はどうにも違和感を拭えずにいたのだが。不器用でファンキーな父親の設定は突飛ですが、至って普通の家族模様として描かれている点に好感が持てました。登場人物紹介という意味合いの1話に思えたので、この登場人物たちが生きていく世界をもっと見てみたいです。

トンデモ賞

家に帰ると明らかに宇宙人の仮装をした人がいて「この人がお父さんよ」と紹介されてしまった。被り物だと思いながらも、かたくなにその姿を続ける通称コスモさんは、果たして本当にお父さんなの? 宇宙人なの? 無茶苦茶なコメディながらも、親子愛を描き、最後も二転三転する物語で楽しく読めました。

優秀作品

コメディ 完結
6分 (3,004文字)

青春 完結
14分 (7,989文字)
スケジュール
・募集期間: 2020年6月10日(水) 12:00:00 ~ 2020年7月12日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2020年8月下旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で募集期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第128弾です。 今回のテーマは、「お父さん」です。 どこかに必ず「お父さん」が登場する妄想を投稿してください。
・厳格で、優しくされた記憶がほとんどない父。けど私の結婚式の日、その目には涙が浮かんでいた。 ・家族にも明かせない秘密。実は私は、秘密組織「日本お父さん連合」の幹部なのだ……! ・森の獣に育てられた子供。しかし獣は人間に殺され、その人間は「自分が父親だ」と名乗り……
6月21日は父の日です!親子とはいえその関係性は様々。あなたがお父さんに伝えたい想いは、なんですか? そんな「お父さん」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの募集期間内に新規投稿された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、募集期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。
注意事項
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。

次回予告

次回、妄想コンテスト第129回のテーマは「星降る夜に」です。 本コンテストと平行する形で2020年6月24日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第129回の募集期間内に新規投稿してください。募集期間前に投稿した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト