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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第165回「おめでとう」
 文字通りおめでたい、祝福の意味で使われる「おめでとう」という言葉。しかしそこに込められたものが単純な祝福であるとは限らず、また言われた側も真っすぐに受け止めるとは限らないのが人の複雑で面倒なところで、物語としてみればそこにおもしろさが詰まっているとも言えます。  祝福の言葉から生まれる様々な心理を楽しめましたが、それゆえにお題をひねらず温かな人の情を描いた作品もまた一層心に沁みる、そんな回となりました。

大賞(賞金3万円+選評)

自販機で臓器を取り換えるという夢のようなアイデアがキャッチーで、どの臓器が当たるのかわからないギャンブル性があるのもおもしろいです。内臓を入れ替え健康になる度に調子に乗っていく主人公が、一体どのような結末を迎えるのか……一話完結ドラマのようなテンポ感で、一気読みしてしまいました。しっかり伏線が回収されるラストもお見事。

準大賞(賞金2万円+選評)

依頼を請け、誰かの幸せな瞬間を一緒に祝福する「お祝い屋」。昨今SNS等で見られるような活動と思いきや、何やら主人公には秘密がありそうで……。「おめでとう」という言葉が連鎖し、絆となる。“情けは人の為ならず”という言葉の正しい意味を思い出させてくれる、優しく温かな読後感に浸れる素敵な作品でした。

入賞(賞金1万円+選評)

クリスマスを間近に控えた冬の町で、身分を超えた温かな交流が奇跡を起こす――。子ども達が身分に関係なく純粋に互いを想い合う姿、そして彼らの想いと行動が運命を変えていく様子に勇気をもらえました。作品全体を通して優しい気持ちにさせてくれる、童話のような温かい物語です。

佳作

王位継承者として過酷な教育を受ける王女と、継承権を持たない王弟の、複雑な想いが交錯するどろどろの愛憎劇が情緒豊かに描かれていきます。自分と似た境遇の存在が生まれたことで愛情が傾いていくのがリアルであり、どちらの想いも理解できるだけにやるせない。執着の果てに辿り着いた倒錯的なラストに、背筋が寒くなりました。
人なら誰しもが持つ“承認欲求”という感情を手に入れたロボットの“生涯”が描かれていきます。「認められたい」という感情に憑りつかれた姿は、人間を感じさせる生々しさを持ちながら、機械であるがゆえの純粋さにも感じられます。ラストは予想通りの展開でありながら、意外な真実が隠されており、様々なことを考えさせられる一作でした。
結婚式の披露宴で、大好きな叔母へメッセージを贈る少年の微笑ましくも温かい一幕……かと思いきや、中盤からがらりと雰囲気が変わります。とある登場人物がスパイスのような役目を果たし、さながら料理の味変のよう。不穏な雰囲気をあえて残しながら、最後までせつなくも心温まる展開を貫いた構成力に舌を巻きました。
幼い頃に言われた何気ない一言で誕生日が嫌いになってしまう。他意のない言葉に深く傷つく心理に、共感する読者も多いはず。そんな主人公が同じ誕生日のクラスメイトに出会い、初めて誰かの為にプレゼントを選ぶことでトラウマから解放されていく過程が、清々しく爽やかに描かれていました。来年も「おめでとう」を言い合うであろう二人の姿を想像すると、とても微笑ましいです。
創作活動をしたことがある人ならば身に覚えがあるだろう、様々な感情と正面から向き合っており、捻りがない分まっすぐ心に響きます。一度は作家としての自分を“脳死”させた主人公が原点に立ち返るまでの流れが熱く、たった一つの言葉の重さが痛いほどに伝わってきました。それぞれの「おめでとう」に、自然と思いを巡らせてしまいます。

超短編賞

該当なし

続きが読みたい賞

元恋人から結婚内祝いの相談を受けた主人公の、複雑な心情と仕事への向き合い方に、エールを送りたくなりました。謎の“先生”の存在も魅力的に描かれており、タイトルや作中の言葉遊びも楽しい。どんどん先が読みたくなりました。ファンタジーとしてもお仕事ものとしてもおもしろく、ラストで仄めかされる続きをぜひ読んでみたいです。

トンデモ賞

華やかで幸せな結婚式の最中、そこに立ち会う人々の様々な思惑とは……。「おめでとう」の裏に潜む闇深い思惑が次々に飛び出してきて、次はどんな埃が出てくるんだ!? と怖いもの見たさで先を読ませられます。彼らの新婚生活を想像すると、背筋が寒くなると共に、でもやっぱり見てみたい……という野次馬根性のようなものが湧いてきますね。

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2021年12月22日(水) 12:00:00 ~ 2022年1月23日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2022年3月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第165弾です。 今回のテーマは、「おめでとう」です。 どこかに必ず「おめでとう」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・”結婚おめでとう”と書かれた差出人不明の手紙。その筆跡は亡くなった父のもので……。 ・推しキャラの誕生日。部屋を飾ってお祝いしていたら、突然彼氏が来た。オタクってこと、隠してるのに! ・「奥さん妊娠したんだって?おめでとう!」……けどそれ、本当にお前の子どもかな?
心からの”おめでとう”は、する方もされた方も嬉しいもの。しかし人の心は複雑ゆえに、純粋な祝福とは限らないことも……。 そんな「おめでとう」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他サービス等に応募中、または過去に受賞したことのある作品はご応募いただけません。
メールアドレスの受信設定について
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。
応募の辞退について
応募期間中であれば、作品管理から応募の辞退が可能です。(操作手順はこちら) 締切後の応募辞退は原則として出来ませんので、ご応募の際はご注意ください。

次回予告

次回、妄想コンテスト第166回のテーマは「降りつもる」です。 本コンテストと平行する形で2022年1月12日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第166回の応募期間内に新規投稿してください。応募期間前に投稿した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト