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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第235回「約束の場所」
今回は力作ぞろいでした。シチュエーションは“◯年後に再会を期す”が多く、約束する人関係は恋人や、仲良しグループが成人してからの再集合、などが目立ちましたが、設定や過程を工夫することで独自の面白さ・輝きを放つ作品が上位に並びました。 その意味で、今回のテーマでは大きく2つのポイントを感じました。1つ目は「離れていた年月をうまく演出されていると、話に深みが増す」という点です。せっかく会えなかった期間があるのですから、互いに「変わってないね」と言い合うだけでは惜しい。エンタメとしてここは一番工夫のしどころです。その点、優秀作品に選出された『タイムカプセルの約束』は「変わっていないこと」がストーリー上、大きな意味をもっていました。 もうひとつは、「待ち合わせ場所を間違えるだけ」で終わるストーリーに「もうひと展開」がほしいという点です。このパターンの作品も多かっただけに、惜しい部分です。聞き間違いや勘違いで会えないというアクシデントだけでなく、そこから違う展開へと繋げられたら、さらに面白くなる気がします。

大賞

タイトル通りの、メッセージがまっすぐ伝わってくる作品。その約束は店主と亡くなった恋人とのものでしたが、モノだけでなく、ちゃんと主人公に想いが手渡されていきます。最後の「大丈夫だ。前を向け」という言葉と夕暮れの景色が、まるで映画のようでした。

準大賞

約束の場所に「行けなかった」話。お笑い芸人の2人が先輩から社会人として大事なことを教わっていく流れが秀逸。実際にネタをしている場面はほぼないにも関わらず、キャラたちの生きてきた芸人ライフが浮かび上がっている。約束の場所にたどり着けなくても多幸感のある作品。

入賞

旧時代の機械人形を処分する主人公の哀しみが伝わってくる。世界観も緻密に組み立てられていて物語にしっかり没入できた。また、約束は果たされるが、少女の口からは直接語られないまま……というのが非常によい演出だった。死を受諾する少女の静けさが、より哀しみを強く印象付けている。

佳作

前半は生と死の緊迫感で引っ張られ、中盤から主人公が戦友と生きて会えるのか、本当に地獄で会うのかの興味で引っ張られる。スリリングさが漂う中、純愛も絡んでいるのがいい。決して軽く終われない話の最後に、頓智の効いたエンディングを持ってくることで、「ああよかった」という軽やかな読後感を得られる良作。
約束の場所そのものを探す始まり。切なさを通り抜けて、あたたかな結末に行くのがよい。2人の思い出の地を訪ねて回るのは巡礼のようで胸に沁み入り、同時に2人の楽しかった時間を読者も共有することができた。
少し悲しい別れから始まり、中盤に転換ありとストーリー展開に抑揚が利いていた。最初からお互いに気持ちがあるのが見えるのに、どうしてこんなことになるのだろうと思ったら、最後に答え合わせが出る。“高校生”という期間限定のラベルの中に生きることの切なさをぎゅっと凝縮して描いている。主役カップルに幸あれと願いたくなる作品。
人生を温かく見つめ直すストーリー。過酷な労働の日々に疲弊した主人公が、家族に救われる。その家族の危機に今度は主人公が救いの手を差し伸べる。一連の出来事の中で、主人公は同僚の死という喪失とも向き合い直す。誰かが誰かの助けになれるかもしれない、というメッセージを感じる。
切なさが染みる純愛ストーリー。海外へ行ったまま音信の途絶えた相手との、唯一の約束の場所へ通い続ける主人公。再会したとき相手が見つけやすいようにと、髪型すら変えられないまま年月が過ぎる。諦念と、諦めきれない感情の交錯が胸に迫りました。ラストの、語りすぎずに完成している描写もよかった。

超短編賞

少女と幼馴染が再会するストーリー。ベタな話に見えて、コミュニケーションの見せ方に工夫があり、カラーコードを使った暗号的なサインが心憎い演出。一緒にコーヒーを飲むだけという目的も爽やかで、次の展開も読者が期待できる。

続きが読みたい賞

シンプルに胸キュンできる作品。体育倉庫裏でタバコを吸う浅田と、臭い消しの飴を渡す初村。そのシチュエーションから発展していく2人の関係がほほえましい。さらにラストで意表を突かれるが、前半のセリフに伏線が張られていたとそこで気づく。好きだけど、あえてどちらも「叶えない恋」というオチもよい。

トンデモ賞

声に出して笑った。会社にたどり着けない新入社員の、荒唐無稽な設定がシンプルに愉快。「この短い時間にセルフで伏線回収を!?」をはじめ、テンポのよいキレッキレのセリフ回しが絶妙で面白い。ぜひ、最後だけは「約束の場所」に辿り着いてほしい。いつになるかわからないが。

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2024年11月27日(水) 12:00:00 ~ 2025年1月5日(日) 27:59:59 ・最終結果発表:2025年2月下旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位20作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位20作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第235弾です。 今回のテーマは、「約束の場所」です。 どこかに必ず「約束の場所」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・「20歳になったら連れていきたい場所がある」と父と約束した。しかし父は約束の直後に亡くなり、一人でそこに向かうことに――。 ・多くの財宝が眠るとされている場所に向かった冒険者一行。無事に辿り着くがそこには何もなく――⁉ ・「家族をこの場所に誘拐した」と連絡が。向かってみたが難解なシステムを突破しないと開かない扉があって大ピンチ......‼
待ち合わせだったり、思い出作りだったり、夢を叶える場所だったりする約束の場所。 そんな「約束の場所」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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応募の辞退について
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次回予告

次回、妄想コンテスト第236回のテーマは「片付け」です。 本コンテストと平行する形で2024年12月11日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第236回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

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