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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第237回「振り返る」
今回のお題では、いわゆる「見るなのタブー」の作品が多かったように感じられました。黄泉平坂をはじめ、冥界から「振り返らずに戻る」というのは、東西の神話に記されているモチーフです。その中で、準大賞を受賞した「年越しの鐘の音」は、黄泉つ竈食(ヨモツヘグイ)をうまく話の軸にして展開しています。類似のモチーフを扱った作品の中でも、キャラクターや立ち位置、設定にひと工夫があるものは、やはり光って見えました。 次に多かったのが「人生を振り返る」作品です。こちらも、ただ己の人生を書き出すのではなく、読む側に感動や悲しみ、笑いを引き起こす「物語」まで昇華した作品は、惹きつけられるものがあります。 プロットやあらすじを作ったあと、書き始める前に、「読んで笑ってほしいな」とか「感動して泣いてほしいな」など、「この話で読者に伝えたいこと」をちょっと意識してみると、エピソードの取捨選択などが自然に出来てきて、物語の魅力がクッキリするのでお勧めです。

大賞

心がぎりっと掴まれるような、切ない気持ちが描かれた作品。孤独を抱えた主人公も、叶わぬ恋の痛みをやり過ごそうとしている少女も、とてもリアリティがあります。夏の夜のアプリコット色の髪、というキービジュアルがとても鮮明に浮かぶ良作。

準大賞

今回、黄泉返りを下敷きにした作品は回いくつも見られましたが、本作は突出して構成がうまかった。また、登場人物それぞれの感情が豊かに描かれていて、キャラクターとストーリーのバランスがとてもよかったです。特に最後のシーンへのまとめ方がお上手です。

入賞

死を前にした女性が、己を犠牲にしてでも夫の不幸な過去を変えてあげようとする。オー・ヘンリーの短編のような、互いを思いやるが故の行動。しかもそれが悲劇にならず、無理なくハッピーエンドに着地するのがよかった。天使のキャラクターも味がありました

佳作

単なる過去の清算ではなく、「ランドリー」というアイテムを使うところにセンスを感じます。夜、見知らぬ場所、不思議なコインランドリーと、アニメ映画になりそうな舞台設定で、陳腐になりがちな恋の振り返りを、惹きのある物語として成り立たせている良作。
青春ものかなと思わせ、ストーカーものかと転じ……からの転換が上手い。読者のミスリードを計算に入れた文章の切れ味がよく、設定や描写に少々強引さがありながらも、それを押さえ込んでグイッと読ませる力がある作品でした。
拾い癖のある犬。しかし拾ってくるものがなかなかよい。ほろ苦い現実に落ち着くものの、殺伐とした感じにならないのはやっぱり犬のおかげ。現実のようで現実ではない、寓話的ながらリアリティもあるよい雰囲気の物語。
今回は、自分の半生を振り返る作品が目立ちましたが、これは「己の創作物」を振り返るという異色作。アマチュア作家の多くが嫌というほど舐める思考を辿りつつ、安易な結論を出さず、投げ出さずまた筆を執るという、足腰の強い構成。
「振り向かない」まま終わる、爽快で心温まる話。ともすればコンプライアンス上引っかかりそうな動機ですが、主人公がそれを自覚しながら慎重に進んでいるのが、現代仕様。清々しさとか一生懸命というものが、思春期の少年少女の専売特許ではないというのを体現したような作品でした。

超短編賞

「ヤツ」から目を逸らすと、その瞬間に突進される。だから振り返ることができない……。誰もが知っているあの恐怖を、シンプルにまとめてくれました。ただしネタだけで選ばれた作品ではなく、描写が的確で、抑制の利いた語り口であるからこそジワジワと怖さを引き立てる、という文章力も評価のしどころです。

続きが読みたい賞

2人の少女と1人の少年、3人のキャラ配置が巧みでした。それぞれが相手の事を思いながらすれ違っている、切ない両片思いをうまく描いています。またそのすれ違いが決して悲しく感じられない空気感も良かったです。

トンデモ賞

「あ~やっちゃった」という心の声が聞こえそうな超短編。気まずさが笑いを誘います。少ない会話のテンポ感も、お互いの複雑な心情を表しているようでした。

優秀作品

ピックアップルーキー賞

スケジュール
・応募期間:2024年12月25日(水) 12:00:00 ~ 2025年1月26日(日) 27:59:59 ・最終結果発表:2025年3月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位20作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位20作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第237弾です。 今回のテーマは、「振り返る」です。 どこかに必ず「振り返る」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・人生ずいぶんと色々あったなと振り返ってみたら、実は千を超す歳を経て昇仙していたことに気づいて――?! ・誰もいないはずなのに何故か背後に気配がする、でも振り向くと誰もいない……。 ・三年間通勤電車で背中だけ見てきた彼。「見続けていたらいつか振り返ってくれる」と信じていたら――?
振り返るものは過去だったり動作だったり……あるいは誰かに振り返られたことで始まる物語もあるかもしれません。 そんな「振り返る」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
メールアドレスの受信設定について
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。
応募の辞退について
応募期間中であれば、作品管理から応募の辞退が可能です。(操作手順はこちら) 締切後の応募辞退は原則として出来ませんので、ご応募の際はご注意ください。

次回予告

次回、妄想コンテスト第238回のテーマは「冬の朝」です。 本コンテストと平行する形で2025年1月8日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第238回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

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