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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第239回「涙の理由」
今回は、ここ最近では稀にみるほど、テーマを自然に物語へ落とし込んでいる作品が多かったです。また「伝わらない恋」系が多いのは当然として、AIが自我を持って泣く、いわゆる「これが涙……?」系も多く見られました。 涙をマクガフィン(動機付け)として使うもの、見えているものとは逆のことを示唆する意外性の演出、ひたすら感情表現の一つとして使う……などいろいろありましたが、心に残る作品とそれ以外の作品とを分けた大きなポイントは、涙をただの「現象」「舞台道具」として使ったか、「涙の理由」が「物語」に一体化しているかどうか、だったと感じます。

大賞

男子高校生が、友人と謎解き形式で片思い相手の「涙の理由」を探るという、テーマのど真ん中を射込んだ作品。主人公だけでなく、出演者全員の想いを描き出しているのが素晴らしかったです。恋の返歌をこのようなかたちで見せるとは、なんとも絵になる演出。彼女が大粒の涙を流すシーンも、実に切なく、美しかったです。

準大賞

上手い!の一語に尽きる作品。本来なら絶望しかないシーンでこんなおちゃめな神様に出会えたら、泣き笑いして立ち直れそう。発想も構成も描写も言うことなしです。大賞を逃した理由は、「涙の理由」より神様のキャラが勝ったからです。

入賞

「涙の理由」がわからないままで終わるのに、この読後感の良さ。日常の描写にもリアリティがあり、同じ電車に乗り合わせた新卒風の男性が泣いたのを見て、心を揺さぶられるというそれだけのことが、読み手もちゃんと共感できる。光が差す一瞬を、絵画のようにとらえた珠玉の短編です。

佳作

泣いていないのに「涙の理由」がこれほど刺さった作品はありませんでした。自分に自信のない剣道部員女子。負けて傷つくのが嫌だから「試合に出ない」という安全策を取る。けれど、痛みを負うことでしか味わえない事があるのだと気づく。テーマを消化した上で読み手も泣かせる作品でした。
甘酸っぱさの描写が抜群にうまい。やりつくされているシチュエーションなのに、思わず引き込まれてしまうのは主人公の感情と文章のスピード感がちゃんとリンクしているから。「恋って、こうでなくちゃね!」というエモい光景が描かれています。
直接語られることがないまま、事象だけでひとつの約束の終わりと恋の結末を知るという構成がじんわりときます。穏やかに描かれた日常の中で、読者は玉ねぎで誤魔化しながら涙を流す“お母さん“”の哀しみに想いを馳せることができる。夫との距離感が最後に無理なく挟まれているのも、よかったと思います。
20年前、事故死した監督の撮った映画が、監督志望の涙というキーワードで、年代の違う3人を結びつけていく展開に掴まれます。最後に、一番の年配である語り手の涙で閉める話の構造がしっかりしており読みやすいです。
「後で悔やむと書いて後悔」というフレーズをはじめ、描写のセンスがきらりと光っていました。素直になれなかった反抗期の娘の、こんがらがったまま断ち切られた母との関係を「コノヨ祭り」を通して丁寧にほぐしていく。涙の理由を知って泣かずにはいられない良作。

超短編賞

オカルト好きにとって「ホンモノ」に出会えるのは感涙ものでしょう(笑)。短さが上手い。

続きが読みたい賞

吟遊詩人が竜に話を聞かせて望みを叶えようとする、いわゆる千夜一夜物語の形をとっているが、読者がちゃんとその世界に入れるようにわかりやすく、テンポよく描かれている。ドラゴンの涙ネタはほかにもあったが、これは読後感の良い話。

トンデモ賞

めちゃくちゃな熱量でめちゃくちゃに進んでいるようで、ちゃんと筋が通っているから、主人公は大事なことに気付く。不幸と涙がフルコンボでくる破天荒なエピソードで、笑いを誘いながらほろりとさせてくれる作品。

優秀作品

ピックアップルーキー賞

スケジュール
・応募期間:2025年1月22日(水) 12:00:00 ~ 2025年2月23日(日) 27:59:59 ・最終結果発表:2025年4月下旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位20作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位20作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第239弾です。 今回のテーマは、「涙の理由」です。 どこかに必ず「涙の理由」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・なんで泣いたんだよって聞かれても、言えるわけないじゃない。キミはもう親友のカレシになっちゃったんだから。 ・その妖精族の涙は、まるで宝石のように結晶化するらしい。手に入れてひと山当てようと接近してみたものの?! ・朝夕の気温差で、人形の陶器の肌には水滴が付く。それがあたかも涙のように見えるだけで、自然現象だ。そう思いたい、でも……。
涙の理由は悲しいだけじゃない。嬉しくても悔しくても、愛おしくても涙はこぼれる。 そんな「涙の理由」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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応募の辞退について
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次回予告

次回、妄想コンテスト第240回のテーマは「贈り物/ギフト」です。 本コンテストと平行する形で2025年2月12日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第240回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト