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新星ファンタジーコンテスト「現代ファンタジー」
なんと今回は異世界ファンタジイがない! 別の時間線に入った改変世界ものはあるので、現実世界とは少し違うものもあるのにはあるんですが。現実世界というのは、当たり前ですが、皆が知っている(と思っている)世界です。その上に幻想を構築するには、この土台となる現実世界の方のリアリティが重要になります。ぐずぐずの地盤の上に、家は建たないということですね。舞台に選んだ街や主人公の職業や抱えている問題など、書くためにいろいろ調べたことが自然な日常に溶けこむまで、その街をながめ、登場人物と会話を重ねてください。そうやって出来た日常に、異物を投げ込み、そこから始まる揺らぎや騒動を追いかけ、それでも揺らがない本質のような部分を見つける。異世界も楽しいんだけど、これもまたファンタジイならではの醍醐味だと思います。面白い作品が揃ったと思います。ぜひ味わってみてください。 (三村美衣)

大賞

客の姿を別のものに変え、その対価として客自身の一部をもらう「化生屋」。人間の少年リッカは、ひょんなことから、「化生屋」を営む夜蓋と知り合い、その助手として働きはじめる……。化生屋に持ち込まれる依頼を通し、妖怪絡みの事件や謎を解き明かす連作という枠組みは人外系お店小説の王道だが、何よりも語り口が上手くて面白い。リッカの一人称語りは、丁寧で淡々としているくせに、家出の原因である兄の話になった途端に辛辣な言葉が混じる。そして妖怪や人外の生き物に出会った驚きや、命の危機に対して、なぜか無頓着なのだ。人外の悲しみや痛みに寄り添えるほど優しいのに、感情の欠落があるとしか思えない。そのチグハグな違和感が面白いと同時に、なぜなのか? という疑問が連作を通してのテーマとなり、結末も素敵です。

準大賞

神も妖しも人間も渾然一体となった八百万な感覚が色濃く残るもうひとつの日本が舞台だ。この世界では人間はみな1つ、ないしは2つ、魔法を持って生まれてくる。その魔法を《雅号》と呼び、詩文のような雅号から魔法の働きをイメージさせる。和ならではの魔法世界が楽しい作品。ラブストーリーとしてきれいに纏まっているが、それだけではもったいない。もっと読みたいので、ぜひこの世界を舞台に、連作にして欲しい。

入賞

本を守る図書館警察ものだが、取り締まらなければならない相手は本の文字を喰う文鬼という人外の存在だ。美しい容貌で人を惑わせ、自らが物語の原動力となり、そうやって作られた物語の文字を喰らう。文鬼が喰らうのは物語の文字だけ、という設定が面白い。さらに本が紙から電子へと移行し、印刷物としての本が希少になりつつある時代に、文字から栄養をとる文鬼がどうやって生きるのかという命題は、鬼に対して些か失礼だが、昨今の熊問題を連想させる。

佳作

ヘブライ系魔女の血を引く女子高生の玲子は、病気の祖母を助けるために、キスで魂を奪い思い通りに操る魔女の秘儀を使って、魔法の薬屋森羅堂の店主から秘薬を手に入れる。ところが、なんとこの秘儀は、魂を奪った相手と身体感覚を共有してしまうという副産物があり、玲子は森羅堂と離れられなくなってしまう……。幽薬とはなにか、呪いとは何か、ヘブライ魔女の秘儀の本質は何か。科学技術が発展した現代社会において、それらはどういう意味を持つのか。愛や死に踏み込んだディスカッションが興味深い。

佳作

教師を目指して教育大に進学したにも関わらず、バイト先の学習塾で生徒とうまく関係が作れずに落ち込むヒロインが、妖し相手の塾の先生として働くことから、自分の夢を再確認する姿を描く。1回100円の天狗タクシーや、大学に求人広告を貼りにくる座敷童など、人間のシステムを使う妖怪たちの姿が、どこか子どものごっこ遊びっぽくてかわいい。文章も上手いし、描きたいことも明瞭で、読者を引き込み、読ませる力がある。

佳作

過疎化の進む田舎にある、めったに客もこない温泉旅館・芳賀屋を祖母から引き継いだ克己。ある日、村の寄合で酔っぱらった克己は、夜道で一羽の烏と激突し、責任を感じて烏を家に連れ帰ったところ、なんとそれは悪魔だった。こうして自称、腹黒いが義理堅い悪魔との同居が始まるのだが、時空が乱れ、村には魑魅魍魎が徘徊し始めるわ、天使までやってきて克己の周囲は大騒動に……。ユーモラスな語り口、人間と悪魔と天使三人の関係も気持ち良い。次から次へと新たな事件が起きるサービス精神旺盛な展開ながら、話の繋ぎに無理がないのも上手い。芳賀屋が天界と魔界共通の湯治場みたいになっていくのも、ほっこりと楽しい。

佳作

京都の大学生の男女が、妖怪対人間の競技会である妖大祭の審判になってしまい、大災害を防ぐためになんとか引き分けに持ち込もうと奔走するコミカルな妖怪もの。鴨川沿いのアパートが洪水で流されたら困るとか、一条寺のラーメン激戦区で妖怪と連食べ歩きするとか、そういったベタな現実と、地獄が繋がってしまう突拍子もなさが可笑しい。妖怪や怪異について楽しんで書いているということが読む方にまで伝わってくる好感度の高い作品。

佳作

「お母さんは昔ここですごい体験をしたことがあるのよ」母についてドイツに旅行した際に聞いた、川沿いで出産を手伝ったというエピソードと、そのときに和成自身が体験した不思議な出会いが、やがて大人になった和成自身の体験を重ねて語られる。
募集概要
「新星ファンタジーコンテスト」 ファンタジー書評家「三村美衣」氏とエブリスタが再びタッグを組み、新星のようにきらめくファンタジー小説を発掘します! 受賞者には三村美衣氏からの選評と個別アドバイスに加え、創作に役立つ書籍を贈呈! あなたのファンタジー作品をより輝かせるため、この機会をぜひお役立てください!
スケジュール
・募集期間:2025年9月2日(火)12:00:00 ~ 2025年11月2日(日) 27:59:59 ・最終結果発表:2026年1月中旬頃予定
募集テーマ
第27回目のテーマは「現代ファンタジー」です。
・最強の陰陽師・清明を召喚するつもりで魔法陣を張った。だが、現れたのはいとけない幼子だった。「ちちうえをごしょもうだったのじゃな?」な、なんて可愛いお姫様なんだ! ・「ここがタケシの言っていた“転生前の世界”か……」確かに、馬もなく疾走する馬車、騒々しい音響、四角い谷の中にいるような建物群。さすが、異世界だと思う。ファンタジックだ。 ・「どうしても血が必要なら、僕を」「お人よしだな」でも、この人を犯罪者にしたくない。僕は目を閉じて噛みやすいように首を晒した。
「現代ファンタジー」の要素を含んでいれば、どのような世界/時代設定のファンタジー小説でも応募可能です。 思わず最後まで一気読みさせられる、そんな引力を持ったファンタジー小説をお待ちしています!
賞
大賞 1作品 ・QUOカードPay5万円分 ・三村美衣氏からの選評 ・日本文芸社「クリエイターのためのシリーズ」書籍3冊 準大賞 1作品 ・QUOカードPay3万円分 ・三村美衣氏からの選評 ・日本文芸社「クリエイターのためのシリーズ」書籍2冊 入賞 1作品 ・QUOカードPay2万円分 ・三村美衣氏からの選評 ・日本文芸社「クリエイターのためのシリーズ」書籍2冊 佳作 数作品 ・三村美衣氏からの選評
\今回はコンテスト受賞+キャンペーン当選のWで賞金が貰えるチャンス!/

10/31(金)まで、抽選で50名様に1万円分のAmazonギフトカードが当たる「ファンタジー新作投稿キャンペーン」を実施中!

キャンペーン応募詳細はこちら

書籍名一覧 『クリエイターのための物語創作ノート』 『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑』 『中世ヨーロッパの世界観がよくわかる クリエイターのための階級と暮らし事典』 『プロの小説家が教える クリエイターのための名付けの技法書』 『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑 性格・人物編』 『プロの小説家が教える クリエイターのための能力図鑑』 『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑 場面設定編』 『プロの小説家が教える クリエイターのための怪異図鑑』 『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑 上級編』 『キャラクター設定で使える クリエイターのための職業と組織事典』 ※日本文芸社「クリエイターのためのシリーズ」につきまして、受賞時にご所望のタイトルをお伺いします。 ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。
講評者プロフィール
三村美衣 ファンタジー、SF、ライトノベルの書評家として、長年の経験を持ち、数々のファンタジー・SF小説賞の審査員を歴任。 創元ファンタジイ新人賞の最終選考も務めた。 第一線で活躍する中で、次世代のファンタジー作品の誕生を待ちわびている。 著書『ライトノベル☆めった斬り』(太田書房/共著)、『SFベスト201』(新書館/共著)、『大人だって読みたい少女小説ガイド』(時事通信社/共著)など。 2018年10月~2019年12月、monokakiにてファンタジー小説の具体的な書き方を指南する「新しいファンタジーの教科書」を連載。好評を博した。
応募要項
・ファンタジー要素を含む作品であること。 ・文字数は5000文字以上。 ・20000文字までの内容で選考を行います。 ・連載中の作品も応募OK! ・すでに完結している作品、並びにエブリスタ内の公式コンテスト及び他サービス等の投稿コンテストで落選した作品を、募集内容に沿うように再構成してご応募いただくことも可能です。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。
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応募期間中であれば、作品管理から応募の辞退が可能です。(操作手順はこちら) 締切後の応募辞退は原則として出来ませんので、ご応募の際はご注意ください。

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