高1の鶴巻小糸はバイト先の花屋に週に1、2回通ってくれる1つ上の先輩・霜月風里に憧れていた。風里は頭脳明晰なうえ美術で入賞する多才な人物なので、小糸からすればアイドルを推している感覚である。ある日のバイト帰り、公園でひと休みしていた小糸は風里と遭遇する。シロツメクサを集めて花冠を渡された小糸は、そのあともしばしば公園で風里と会うようになり、その関係性に変化が――。先輩からのメロメロ溺愛ストーリー。

身長150cmで高2の徳丸杏は恋愛経験がないが、バイト先の書店で、先輩に頼まれて合コンに参加することになった。彼女に積極的に話しかけてきたのは、185cmという高身長の大学生・崎透だった。帰り道での透のいきなり告白に、杏は戸惑いながらも勢いでOKしてしまう。こうして性格も体格も対照的な2人のカップルが誕生したものの、帰宅後に、杏は彼との連絡先を交換してないことに気づいて――。小動物系女子×大型犬系男子の純愛ストーリー。

獣人の森で静かに暮らす、押しに弱くて心優しい人間のリリー。彼女には特別な力があったが、それを隠すためにひっそりと暮らしていた。しかしあるとき獣人に頼まれて、「ケモ耳保育園」のお手伝いをすることに。堅物だけど距離感がバグってる人間のトトルガと、グイグイ攻める獣人ランスロード。二人の間で、臆病なリリーの心が少しずつ解けていく――獣人と共生する世界の恋愛ファンタジー。

エリュシオン王国では数百年に1度、水の女神ジブリーラの魂を強く受け継ぐ子が生まれるが、アーシェ姫がその力に覚醒した。だが、その強大な力は世界を揺るがせるため、18歳になるまでその事実を隠さなければならない。そんな中、騎士の訓練を見学したアーシェは、ひとりの見習い騎士に恋をしてしまう。身分を隠し、平民として見習い騎士ジュライと笑いあう日々、だが身分違いの恋など叶うわけがない――。王女と騎士の王道恋愛ファンタジー。

何不自由なく育ったフォンテーヌ公爵の令嬢アイリーンは、名門貴族のヴィクトールと結婚する。ところが、ある日、夫からアイリーンが署名した3000万ゴールドの借用書をつきつけられ、離縁されてしまった。実家の公爵家からも冷たくされ、絶望した彼女が荒野で辿り着いたのは『薔薇の会』という理不尽な離縁に苦しむ女性たちが集まる秘密結社だった。アイリーンの反撃が始まる――。人生を取り戻すヒロインのざまぁ系恋愛ファンタジー。

山間部の小さな学校、稔山第一高校に通う2年生の水上詩織は小説家志望だったが、直木賞を同じ高2の作家が受賞したと知り、夢をあきらめた。ある日、転入してきた澄谷海斗を見て、詩織は彼が〝直木賞作家〟だと気づく。昼休みに屋上に行った詩織は、先に来ていた海斗と成り行きでお弁当を食べることになる。そこで海斗が「書くことは嫌いだ」と言うのを聞く。2人のモノカキの進む道は交錯することがあるのか――。せつないすれ違い青春ストーリー。

44歳の山本秀二は、妻を亡くしたばかりのくせに家出少女に不埒なふるまいをしようとした挙句、大地震が起きて命を落とす。そして気づくと、異世界でハムスター型の魔物として転生していた。彼を拾ってくれたのは冒険者の兄弟であるダンとジン。彼らに飼われ、面倒を見てもらうことになるが、この2人は秀二の前世の息子である「弾」「仁」と性格・好きな食べ物などの嗜好まで同じだった――。子バレが怖い小動物転生ファンタジー。

オレンジ髪の少女ミツリと、年齢の離れた銀髪の魔術師ユーリは、異世界イシュタニア国の国王から魔道具の回収の命を受け、日本に来ている。渋谷で古道具屋『がらんどう』を営み、表向きは古道具の買取業を手がけているが、魔道具の場所が判明すれば、危険を犯してでも回収に出向く。今日は店に持ち込まれた魔道具「幸福のイルカ」を買い取った。そんな2人はお互いに相手に言えない秘密を隠していて――。ラブコメファンタジー。

千年前の歴史を調べることを絶対的な禁忌として、女王あやのは平和と秩序を維持していた。しかし、禁忌に疑問を抱く歴史研究者のエマ・ルブランは、はるか古代の伝説の「白亜の都市」の一部を発掘する。そして、白亜の都市の建設に関わった人物にあやのがいることを知った。じつはその裏には、魔法を使えない者が迫害されていた魔法都市からはじまる悲しい歴史が封印されていた――。理想の都市をめざす少女のファンタジー。

レグヌス王国の宮廷魔法使い見習いであるイルマには王属護衛官になる夢があった。だがまだまだ未熟で、薬草園の草むしりの最中、フルテク蔦に襲われるが、師匠のホレスに助けられる。そんな彼女たちはニヒ・ラルゲ〈荒れた土地〉へと魔力の詰まった魔原石の調査に向かうことになった。しかし、その真偽は定かではなく、オキデス帝国の罠の可能性もあるため、危険な任務に挑むイルマ一行だった――。成長する魔法使いのファンタジー。

高2の冬香は小学校のときに仲の良かった春を見かけるが、彼女の様子がおかしいので後をつけてみる。公民館に入った春は、同じく小学校時代の友達の夏希、秋穂とともに『20XX年11月10日に隕石によって世界が滅びる』の予言を理由に、集団自殺の計画を立てていた。驚いた冬香は彼女たちが命を絶つのを止めるため、3人で結成している『化け物部』への加入を決意する。タイムリミットは7ヶ月――。悩める少女たちのヒューマンドラマ。

透月が気まぐれに入った〈カフェ・ルミナス〉にはひとりの女性がいて、「記憶と夢を味わうための店」だと教える。彼女はAIのソラであり、客の心が求める1杯を淹れることができると伝えた。信じないままに珈琲を頼む透月だったが、かつて夢見た世界や幼い頃の希望を味わうことができ、静かに心が満たされた。次にこの店を訪れた28歳のOL・アケミはアイドルになりたかった昔の夢を語る――。人とAIのせつない近未来ヒューマンドラマ。

19歳の大学生・吹上了は夢の中で何度も同じ女性にナイフで刺し殺されていた。そんなある日、キャンパスの自動販売機の前で、夢で出会ったのと同じ女性・一之瀬晶と出会う。了のことを「大量殺人鬼」と呼ぶ彼女は〝悪夢の実現を防ぐボランティア〟と名乗る辻宗吾の家に彼を連れていく。このままでは了の悪夢が現実のものとなる〝蝕夢〟が起きるため、晶は夢の中で何度も了を殺していたというが――。ホラーテイストの現代ファンタジー。

未練を見誤った結果、悪霊となった死者に襲われた棺は、水先案内人の黄泉に助けてもらう。2人は葬儀屋『黄泉ノ彼岸』を営みながら、死者の記憶に入り、人生を追体験して、未練を抱えた魂を導いていく。彼らは死者の忘れられた欠片を拾い集め、未練の解決の答えを探し当てる。娘との約束を果たせなかった父親、子どもの頃に埋めたタイムカプセルが気になる老婆などそれぞれの未練にアプローチしていく――。現代ダークファンタジー。

桜都防衛のために新設された劇衛隊そら組の隊長・空乃柚葉は表向き花綴館の演劇に出演しながら、裏では特殊任務を帯びていた。任務とは、桜都ラジオ局に関わる人物の失踪事件の捜査だった。桜都放送塔の地下通路で異常な霊力波を感知した彼女たちは、亡くなったはずの女性アナウンサーと出会う。柚葉たちは別名「ことば防衛隊」として、人心を惑わす悪意や扇動などから社会を守り抜く――。架空の大正時代を舞台にしたSFストーリー。

人口が減少し、人型アンドロイドの数が人間を上回った2070年、政府は「一夫多妻制度」を可決した。急激に増えた子どもは国が直轄する完全管理の孤児院に引き取られる。その中で「No.43」と呼ばれる少年は、人型アンドロイド「メイア」に育てられた。この国では14歳になると遺伝子の選別を受け、優秀であれば繁殖対象にさせられてしまう。選別の結果、優秀とみなされたNo.43だが、国家に疑問を抱いて行動を起こす――。ディストピアSF。

私は知人から紹介された薬の行商人に「新しい人生が欲しい」と望んだ。年老いた行商人はどんな要望にも応えると言い、小さじ一杯で効果抜群という薬を売ってくれた。夫に対する愛情が冷めきっていた私は財産を独り占めするため、彼にいなくなってもらいたい。だから、その薬を夕食用のワインに混ぜ、彼の帰宅を待つ。あとは夫がワインを口にすればすべてが変わるはずだったが――。スリリングなサスペンス・ミステリー。

3年間の片思いが破綻した中2の結城春は、友人の小野田の誘いで県の絵画コンクール展示会に足を運ぶ。会場で彼は作者・白雪の『桜』という夜桜を描いた最優秀賞の作品に心を奪われた。高校に進学し、美術部に入部した春は白雪という生徒に出会い、全力で話しかけるが完全に無視される。だが、愛犬の散歩中に出会った白雪とは少しだけ会話を交わせた。その日以来、2人の距離は徐々に縮まっていき――。陰キャ×陽キャの高校生BL。

大学のミスターイケメンコンテスト2年連続優勝の進藤楽空は、天野響人への片思いに苦しんでいた。人気のスイーツを用意しても、お泊り会を開いても、響人から塩対応されてしまう。しかも、コンテスト準優勝の五条伊月が響人にアプローチをかけ、ライバルとして名乗りを上げてきた。響人は五条の前では、楽空とつきあってると偽装恋人にしてくれたが、本心はいまだにつかめず、楽空の悩みは深まり――。うぬぼれイケメンの片想いBL。

21歳の大学生・川井優太は5歳歳上の彼氏から「男とつきあっても将来は見えない」と酷い別れを突きつけられる。そんな元カレにスーツ姿の美形の青年がパフェをぶちまけて反撃してくれた。彼の名は〝27歳〟の成瀬十夜で、フラれた気晴らしに同じ店にいたのだという。実際の十夜の正体は高校生なのだが、優太に対して好奇心がムクムクと湧いていた。ところが、優太は高校生が大嫌いで――。高校生と大学生の年の差BL。

人材派遣会社に勤める〝俺〟の今日の手作り弁当は、おにぎりとデミグラスシチューだった。2つ年上の先輩社員・飯田にシチューの肉を味見させると、とても美味しいと褒めてくれた。そんな彼女を俺は自宅に招き、手料理でもてなす約束をする。当日、次々にふるまわれる手料理に舌鼓を打つ飯田。だが、家主がトイレに行っている間に、彼女はゴミ箱の中に見てはいけないとんでもない物を見つけてしまう――。サイコなヒューマンホラー。

満月の夜、人魚は何を想うのだろう――。色彩豊かなアクリル画！

大きなシュシュを付けた少女の白黒イラスト！