コラボ小説【ハダシの未来】
コラボ小説 ~タイトル~ ハダシの未来 ~参加者~ 魔法使い 雷電 Kino ─────── コラボ募集はこちら[link:msg_list?tid=8143132&o=&p=1]
3PV43コメ

0/1000 文字

書き込み 29件

- - -

このコメントは削除されました

41・ 雷電
>>[[11539126]]

「やぁ、よく来たねお三方」


扉の奥には鷹揚に両の手を広げて言う悪魔召喚士がいた。

黒いローブを見に纏う姿は闇を連想させる。


「……お前、クズだな」


雷電のその言葉にピクリと眉を動かした悪魔召喚士は、何?と言う。

言うねぇ雷電、と隣で腕を組むヤンと、頷きで同意を示すアルテシア。


それを見て拳を握り、ワナワナと震わせる。


「ぼ、僕の……美学を否定するのか……ッ!」


それに対してキツく睨み付けた雷電は言う。


「ああ、醜い」


それが理性の糸を切ったように叫び声を上げると、次々と悪魔を召喚していく。


「おいおい雷電、怒
40・ Kino
>>[[11536650]]

「鬱陶しい」
イラつきをおさえながら、雷電はブレード血振るいした。

「まったくもって私もそう思うよ」

いつもよりも強く、微かにくすんだ翼をはためかせ、アルテシアは雷電に同調する。

怒りを覚えていないのはヤンただ一人。きゃーきゃーと雷電の背後で騒いで楽しんでいた。

「なんでヤンは戦わねーんだよ!」

歯を剥き出して雷電が唸ると、ヤンはひらりと空を舞った。

「おっと。見てなかった?少しは戦ったよ」

「違う。お前ならこんなやつら一発だろ?俺らばかりに負担させるな」

「いやー、そうしたいのは山々なんだけどさ。この塔の中。どうも湿っぽいんだよね
- - -

このコメントは削除されました

38・ 雷電
>>[[11533364]]
*****


時計台を見上げて三人は、高いな、と呟く。

目の前にある鉄扉も巨大なもので、相当な力を要すると想定できる。

そもそもが人間の力で開閉させるものではないのかもしれない。


「雷電、今回はお前には分が悪過ぎる」

「………ああ、でも、行くしかないだろ」


そう言われたヤンは、なら止めない、と口を閉ざす。

アルテシアは不安そうながらも、


「ポジギアがまた取り憑かれたら……私達が何とかするから」

「ありがとう、アル」


うん、と微笑みながら返事をする。

じゃあ行くか、そう言った雷電はブレードを鞘に収め、そっと鉄扉に手を添える
37・ Kino
>>[[11523909]]

そんな会話を中断させたのは、悪魔の女の泣き声だった。

肩を震わせて、女は泣いていた。

悲壮感漂う中、三人は女が口を開くのを待っていた。

あえてアルテシアが慰めに行かなかったのは、雷電が再び悪魔に取り憑かれないようにだ。

油断すればまたあのようなことになりかねない。

泣き声が小さくなって、女の嗚咽も治まった頃、女はぽつりぽつりと話はじめた。

女が言うに、この街を支配している悪魔召喚士というのはつい最近現れたらしい。かなりの力の持ち主で、強引に悪魔を使役しているという。

街にはそれに取り憑かれた人間がごまんといるそうだ。

侵入者は排除、
- - -

このコメントは削除されました

35・ 雷電
>>[[11517094]]

「で、どうするの、ポジギア?」


それだけでも雷電には伝わった。

そうだな、と考えるそぶりを見せる雷電に、ヤンとアルテシアは、決まってるんでしょ、と言う。

ニヤリと笑った雷電は、ああ、と答える。


「黒幕の、悪魔召喚士を斬る」


その言葉にニコリと笑うと、


「言うと思った」

「ああ、雷電ならな」


二人の言葉に、なんだよそれ、と鼻で笑った雷電はヤンに先ほどの悪魔を捕まえさせる。

ヤンはあっさりと悪魔を捕まえると、んで?と雷電に問う。

尋問か?と問う目は光っていた。

ちげーよ、雷電は詰め寄ると、


「……アル、任せた」


34・ Kino
>>[[11515550]]

ポキリと首を曲げて雷電の体でヤンは笑う。

「どうも、そのボスとやらは、一筋縄ではいかないみたいだよ」

その時、微妙な顔でこちらをみているアルテシアにヤンは気づいた。

「な、なに?アルテシア」

「ポジギアの顔でヤンの口調って…なんか不自然」

「仕方ないだろ。もうでるからちょっと待ちなって」

その言葉どおり、ヤンは雷電の憑依をとい
た。

途端支えを失った雷電は、その場にくずおれる。

「あ!!」

その場に倒れた雷電に慌てて駆け寄り、アルテシアはその無事を確認した。

「ポジギア…だ、大丈夫?」

「──っ…」

細かく瞼が震え、その瞼
- - -

このコメントは削除されました

31・ 雷電
>>[[11511519]]
アルテシアの言葉に思い出したような表情をしたヤンは、さっきまでと同じ人物とは思えぬ程に気を引き締める。


「なら、俺がやるしかないな」

「ごめんね、ヤン」


ああ、と返事を返すが、実際のところどのように戦えば良いかが分からなかった。

本体、つまり雷電の肉体に攻撃したところで、ダメージを食らうのは雷電であって悪魔には何の被害もない。


「……いつもなら本体ボコって出て来た奴を捕まえるんだがな、相手が雷電と来ちゃあマズイだろ」

「ダメだよ!?ポジギアに怪我をさす訳にはいかないよ!」


むぅ、と唸ったヤンは暫く考える。

雷電には怪我をさせず
30・ Kino
>>[[11493030]]

「え…うそ。あんなカッコいい場面の後に…?ちょっとタイミ ング悪すぎだよ…」

「立ってる場合じゃないって!!」

「わっ…!」

ヤンがアルテシアの手を引っ張った。

紙一重だった。

今までアルテシアがいたところを、唸りをあげて雷電のブレー ドが通りすぎる。

未だにこびりついていたドラゴンの血が、ブレードから飛んで はね、アルテシアの体を通過した。

「や、ヤン!なんで?ポジギアの攻撃は効かないはず…」

「いや、違うね」

ヤンは目を細め、雷電をみる。

「ちょっと今回はそうもいかないみたいだ。あれに触れたらス パッと切れちゃうよ。悪魔のせ
- - -

このコメントは削除されました

24・ 雷電
>>[[11480894]]

バチバチと火花を散らすブレードを血振りすると、べチャリとドラゴンの体液が地面に垂れる。

四つ切りにされたドラゴンは僅かに帯電しており、斬り口は焼かれていた。

初めて雷電の斬撃を目の当たりにするアルテシアは目を剥いて驚いていた。


「ヤン、あとは頼む」

「あいよ、燃やしていいな?」


ああ、と返事をした雷電は高周波ブレードをコートの中に仕舞うと、アルテシアを見上げる。


「アル、怪我は?」


それを問う表情は既に奈兎流であり、アルテシアにとって最も見慣れた表情だった。

コクコクと頷くと、


「だ、大丈夫。ポジギアは?」

「何ともな
23・ Kino
>>[[11468578]]

「アル…お前面倒だからって、嘘ついて…」

「ついてない!はやく倒してよ!」

「まったく…!」

アルテシアのことだ。どうせあんなグロテスクなものに触れたくないとか、直視したくないとかいう我が儘だろう。

内心こちらだってあまり目にいれたくなどない。

吐き気を催す腐敗臭は耐え難い。

腐り落ちたドラゴンの肉は、元々艶があって固い鱗がおおっていたのだろう。

いまは見る影もないが。

でろりと飛び出しているというのに、今もなお執念深く血管と繋がっている目玉を揺らしながら、ドラゴンゾンビが咆哮した。

「今楽にしてやるから、喚くなよ」

顔から表情
- - -

このコメントは削除されました

19・ 雷電
>>[[11462496]]
奈兎流はロングコートの中から折り畳み型の刀の柄のようなものを取り出すと、それを伸ばす。

────高周波ブレードだ

ヤンは知っていた。

以前に一度、奈兎流が戦う姿を見たことがある。

綺麗な銀髪を風に靡かせ次々と敵を薙ぎ倒す姿は、まるで悪魔のようであった。

そこでヤンは、奈兎流の通り名を思い出す。


「ジャック・ザ・リッパー……」

「何か言ったか?」

「……いや、何も」


そそくさとヤンは服を着る。

奈兎流が高周波ブレードを使用するのは、本当に危険な時、そしてキレた時だけだ。

そしてその時は、奈兎流は自分の名前を偽る。


「着替え
17・ Kino
>>[[11451140]]
「くだらないよまったく。魔道に身を溺れさせ、自ら破滅を招くなんて」

ふん、と今は亡き魔導士がいた場所を一瞥し、ヤンは二人へと顔を向けた。

「さ、行こうぜ。こんな場所いたくもねぇよ。──…ん?アルテシアは?」

奈兎流の姿しか見えないことに疑問を持ったヤンは、首をかしげた。

そんなヤンに対し、奈兎流は八の字を寄せる。

「……考えろ。お前。いいか?あいつも一応人外といえ女なんだ。わかるだろ?」

「──…ん?」

「まじかこいつ。アルの悲鳴も聞こえなかったのか?」

「全然」

奈兎流は深い溜め息をついて、アルが飛び出ていった扉を指し示した。


- - -

このコメントは削除されました

14・ 雷電
>>[[11440728]]
そんな奈兎流の肩を、アルテシアが叩く。


「ん?」

「………乙」

「は!?違ッ、違ェーよ!」


右往左往する奈兎流を他所に、ヤンは既に敵の方へ向き直っていた。


「………行っくわよー!!」


ヤンは突然奇声を上げ、そして手を大きく広げた。

アル、と指示を出す奈兎流もいざという時はキチンとする男だ。

ヤンの発動しようとしている攻撃魔法が直線的な動きをするものだと想定した奈兎流は、アルテシアに敵を回避不可にするよう指示を出す。


「了解、ポジギア」


アルテシアは返事をすると魔法を発動、植物を敵の周りに発生させて絡みつく。


「サン
13・ Kino
>>[[11410774]]

「「……え?」」
突然の奈兎流の行動に、二人は首を傾げ、驚き戸惑った。

いや、二人だけではない。

敵もふくめれば三人か。

アルテシアは思わず奈兎流につっこんだ。

「ポ…ポジギア…。命狙われてるんだよ?」

当たり前だ。
敵が迫っているというのに、ふざけている場合などではない。

いや、それともこれは奈兎流の策なのかもしれない。

敵を油断させるための。

敵を騙すにはまず味方から、とよくいうではないか。

「い、いやぁ…。なんかやらないといけない気持ちになって──。す、すまん」

いそいそと奈兎流は体勢を元に戻し、申し訳なさそうに頭をかいた
- - -

このコメントは削除されました

11・ 雷電
>>[[11409268]]
まぁ、と仲介に入った奈兎流は長袖で機械部を隠すと、


「取り敢えず、泊まるところを探そうぜ?」


それに同意した二人は、結局は奈兎流を先頭にして街に踏み込む。

入って思ったことは、絶対に人が住んでいる、ということだった。

姿は見せないにしろ、絶対に生きた人がいると確信出来る証拠があった。


「見ろよアル、ヤン。街にゴミがない。
誰かが定期的に掃除してるってことだ」

「そうみたいね。一応警戒はしとくよ」

「頼む、アル」


そう言うとアルテシアは少し上昇すると、奈兎流とヤン、そしてその周囲を見渡せる場所で飛行を続ける。

ヤンは相変わらず
10・ Kino
>>[[11405427]]

ごほん、と一つ咳払いをして白けた雰囲気をヤンはかきけすと、二人の先頭に立って歩き始めた。

たまに右手と右足が同時にでている。

少々滑稽だが、箒に乗って飛ぶ姿を周囲に知らしめるよりましだろう。

「っていうか、こんな気味悪りぃ街誰もいなくね?無理して歩かなくていいと思うんだが…」

もう歩くことに疲れたのか、ヤンは二人へと振り返った。

それをアルテシアはすぐさま否定する。

「ダメ。見られてたら面倒なことになりかねないよ。前にもばれかけて大変だったでしょ」

「うっ…。た、確かにそうだけどよ…」

痛いところを突かれたのか、ヤンが顔をしぶめた。
9・ 雷電
>>[[11401856]]

*****


「着いたぜ奈兎流」


着地したヤンは暑苦しそうに言い、奈兎流は背中から飛び降りる。

三人が辿り着いたのは薄暗い雰囲気が第一印象で、あまり良い印象ではない。


「ポジギア、また変な町に来ちゃったみたいだね」

「……ああ。取り敢えず、ここでは休息程度に考えよう」


その言葉に、だな、とヤンも同意する。


「ヤン、お前は人間っぽく歩いとけよ」

「しょうがないなぁ、この町だけだよ?」


奈兎流の言葉にヤンはゆっくりとした口調で答え、それに首を傾げたアルテシアが、

「ポジギア~、コイツのキャラが掴めないよ」

「問題ないぞ、
- - -

このコメントは削除されました

5・ Kino
>>[[11395269]]
見渡す限りの荒野を一望すると、ヤンは再び定位置に戻った。
「もうこの風景にも飽きたな…」

箒の上で器用に足を組み替えて、ヤンは顔をしかめる。

「同感。次の街はまだなのか?」

奈兎流は額から流れる汗を拭った。

そんな奈兎流を嘲笑うかのように、アルテシアは空をゆうゆうと舞っていた。

「アル。暑くないのかよ」

「ええ。当然」

白い衣を靡かせ、アルテシアは羽を一度大きく羽ばたかせる。

「羨ましいな。俺だって一応暑いんだぜ?」

ヤンが鬱陶しい暑さを表すように、手で自身を扇いだ。

「ヤンはまだいいだろ。俺なんて暑くて暑くて…」

あぢー、と声
4・ 雷電
「あちーな……」


そう呟いた奈兎流はタオルで首筋を流れ落ちる汗を拭う。

錆びちまうよ、そう呟いた奈兎流の四肢は太陽光を反射する超合金だった。


「防腐加工でしょ、ポジギア」


そう言ったのは背に羽を生やした者で、奈兎流の周りを飛んでいた。


「冗談だよ、アル」


女の形をしているのは、アルと呼ばれた者、アルテシアが人ではないと示す何よりの証拠となっている。


「だからポジギアって何だよ」

「ポジギアと私の秘密」


次に問うたのは、箒でアルテシアと併走、否、飛行する男だった。


「ヤン、いつか話すよ」

「ったくよぉ、秘密の多いご主人様だぜ、奈兎流」


その言葉にクスリと
- - -

このコメントは削除されました

/1ページ

29件