学園区2F:中央階段踊り場
2階と1階をつなぐ階段の途中に設けられた少しだけ広い空間。 大きな二つの窓からルナティカ学園の外を僅かに眺めることが出来る。
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9・ 月光【サブ】
>>[[14621504]]

「ホントに伝わり……ましたか?」


教材をお尻と両手で挟むようにして持ち、上目遣いで男の表情を伺う。ぱちぱちっと瞬きをするとまた視線を床下へと戻して今度は恥ずかしそうに左足で床に円を描くような動きを始める。


「私も今だにこの学園の事ってよくわからないです。でも、私は基本的にみんなが使う広場がありまして、そこのベンチを使ったりして食べてますね。

機会がありましたら是非、みんなの広場で食べてみても良いと思いますよ? ここで食べるより、その、美味しいと思います。それに、日の光も気持ち良いんです。あ、ちょうどここから見えますよ! あの辺り、かな?」

8・ 落とす穴
>>[[14619963]]


「…………」


そういった事を言われるのは初めてか、男は何もせずに沈黙を体現したかのように黙りこくる。


腕組みをして続きを聞こうとするが、言葉が続かずにクネクネと身体を動かしている様を見て、一笑。

そして、

「言葉にできないなら無理して言わなくても良いだろう。まぁ、ありがとさん。
そうだな。ここ、だだっ広いもんなぁ
飯を食うにも場所が分かんない奴もいるしな」


と、話した。
現に分からない奴が少女の目の前にいるわけだが。

7・ 月光【サブ】
>>[[14619111]]

「で、ですから何度も言いますが嫌いになってないです! ……だって貴方はちゃんと謝ってくれました」


そう言ってふわりと自然な笑顔を男にみせる少女。しかし、「あっ……」と声を漏らすと慌てて適当な床下へと視線を落とす。


「この学園って広いじゃないですか。なので、立ち食いをしてしまう生徒がよく居たりしますが、注意をしたのは貴方が初めてです。

わ、悪い事じゃないと思います。はい。きっと、お話しやすいって思ったのかもしれないかなみたいな感じで……その、ええと、むぅん……」


ミユウはまた身体を左右にクネクネとさせ、口ごもるが男に対して軽蔑していたよう
6・ 落とす穴
>>[[14616602]]


独り言が聞こえていたのに何故か畏怖(?)を感じつつ、少女の言葉に表情が固くなる男。
デカイ唇を片手で隠して何かボケようと口を開く。


「笑って蔑n…………ゴフン」


失礼、とボケのチョイスを間違えて先の言葉を打ち消す。
よし、真面目になろうそうしよう、と0.1秒で頭に浮かび、もう片方の手で持ってたカップラーメンを床に置きキリッとした表情になる。


「いやいや、そちらさんは悪くないよ。昼食をここで済ませようとした俺が悪い。嫌な目で見るのは当たり前だ、すまんね。それに嫌われるのは慣れてるから大丈夫」


次々と息継ぎ無しでそう言ったあと、普通の表
5・ 月光【サブ】
>>[[14606238]]


「……い、いえ。き、嫌いにはなってません」


なんたる地獄耳。少女は小声で男が話していたはずなのにも関わらず、聞こえていたらしい。


――暫し沈黙して。


「あの、えっと、その、階段の踊り場で昼食を取るのは、立って食べるのはよくないと思うんです!」


男に対して注意を促しているはずなのだが、視線を合わせる事をせず、胸に手を添えて申し訳なさそうに言う少女。


「あ、あと私のせいで貴方の気分を害してしまったならそれは本当にごめんなさい。あの、ホントにすみませんっ……

こんなこと、急にですし私情なのですが私はひ、人とお話したりするのが苦手で、
4・ 落とす穴
ラーメンを食っていたので少女が階段から上がってくるのを気づくことに、男は数分掛かった。

気付いた瞬間、男は外側のフードを深く被り直して少女を見つめてみた。


(ここでは知り合いが全くいないからなぁ。施設なんかも自分にはよく分からんところ、多かったし。ここは一つ、この嬢ちゃんと知り合いにでも…………)


と、考えていたところ、目が合った時に、まるで汚物でも見るかのような視線をしていたので考えを改めて直そうとするが


「ヤバい…………改めて他人に嫌われると心、折れる」

悲壮の方が勝ったのか、そう小声で呟き、プルプルと全身を震わせ愕然とした表情になり、こちらも喋りかけるのを戸惑ってしまう。
3・ 月光【サブ】
>>[[14569240]]


そこへちょうど踊り場を通りかかろうとしているのは教科書を両手で抱え、制服姿をした一人の少女。
一階から一段、また一段と登っていく。
頭の上で縛り、ツーサイドアップした髪がゆらゆらと揺れる。

「何だか、ラーメンのような匂いがします」


それもそのはず。現に踊り場で一人の男がラーメンを食べているのだから。
遂に匂いの根端であろう踊り場へと辿り着いた時、少女は男を見て軽蔑でもするかのような目で見ると立ち止まり、男と目が合いそうになると慌てて視線を逸らすのを繰り返した。


「……うぅん、むゅう」


男に一声掛けるべきか否、掛けざるべきか。その迷い
2・ 落とす穴




静寂に包まれた階段の中央辺りで、手すりにもたれつつカップラーメンを食らう男が一人。

ズゾゾと音をたてながら窓から見える景観を、食べながら見ていた。


「ここに迷いこんで二週間ちょい、ズゾ
ある意味では平和なズゾゾ、ところズゾ、だな」


立って食べている時点で行儀が悪いが、食べながら独り言を言うのも行儀が悪く、痛い人間に見えた。


絡みフリーっす








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