なりちゃ板【軍事基地跡地】
 無人の軍事基地。何年か前に使われなくなったらしく、兵器などは地下倉庫に仕舞われている。  セキュリティは穴だらけで、誰でも入ることが出来る。ただ、最下層だけは侵入が困難を極める。
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46・ TEO
勇志「………」
しかし、その近くには先客がいたようで黒髪の美少年がフェーリから見える位置に同じように空を見上げて座っていた。
彼の横顔は街角の女性が思わず振り返りそうなくらいかっこよくてなおかつ爽やかな顔であった。

45・ 孤狼
 今や無人となってしまった跡地は底知れぬ暗闇と無音な静謐の空間を創りあげていた。その中を私は月の光だけを頼りに広大な滑走路を歩く。着いてくるのは自分のコツコツという足音だけ。


フェーリ
「やっぱり、予想通り」


 適当な場所で足を止め、私は夜空を仰ぎ見る。そこに広がっていたのは宝石を散りばめたような満点の星空に思わず口許が少しだけ緩み、小さく笑ってしまった。
44・ 蓬莱人
>>[[18272519]]


「………………」


神父は何も喋らず、戦闘機に乗り込んで去っていく少女と提灯の妖怪を見詰めて数十秒。


「…………帰るか」



ボソリと呟くと、革袋を担いで戦闘機が飛び去った方とは反対側を歩き出すのだった。





こちらこそ、有り難う御座いました。
43・ 青大将
>>[[18263159]]

「了解いたしました。
いろいろお騒がせしてすみませ…

ん!?

どうしたのにーこちゃん?」

急に訳の分からない事を言い出す梨菜。

どうやら知り合いから念話が入ったらしい。

「お父様とお母様が?

…わかったわ。

ゼロくん、お願い」

梨菜はそう言うと、仙術で飛行服を纏い提さんを呼び寄せる。

そして10m×15m程のスペースがある場所に赴くと、仙女の麻袋からゼロくん本体を取り出すのであった。

そして提さんと共に乗り込み仙式エンジンを起動させる。

「両親から呼び出しがございましたので、突然ですが失礼させて頂きます。

縁がございましたら
42・ 蓬莱人
>>[[18256683]]


「いや、昼食はさっき食べたから大丈夫」


ここに来る前、特上カルビ弁当を食べていた。そこから三十分も満たない内で腹は減るわけでなく、誘いは丁重とは言いがたいも断った。
41・ 青大将
>>[[18254708]]

一方梨菜たちは、顔を見合わせつつ念話にてやり取りしている。

提さん(オイのせいでみんなまで…)

イスカリオテ神父が自分と距離を置いているのを見ながら提さん。

梨菜(提さんのせいじゃないよ。

私だって…
その…
下着姿で…)

ゼロくん(責任の奪い合いは程々に主操、主電。

みんな仲良く連帯責任で良いではありませんか)

やがてゼロくんの言葉に頷く梨菜と提さん。

そして梨菜は、とにかくこの状況を動かすべくイスカリオテ神父に話し掛けた。

梨菜「イスカリオテ神父。

ライスカレーはお好きですか?

もし宜しかったら、お昼にお招きさせて頂きたい
40・ 蓬莱人
>>[[18241898]]


「………………」


腕を組み、ヘンテコな三人組を訝しげながら見詰めていた。神父、そんな役職柄なのに、人外の存在はあまり受け付けていないのか、提灯の九十九神と名乗った堤からは若干距離を取っている。
39・ 青大将
>>[[18236674]]

「ぶつぶつ…
まだ森一さんにも見せた事ないのに…」

年頃の娘らしい事を呟きながらも、梨菜はやがて駆け付けた提さんから上着を受け取り素早く着る。

そして直立不動の姿勢となり、凜とした声でイスカリオテ神父の問いに答えた。

「神仙境栄隊所属、下級仙女鈴城梨菜

14歳

…と申します」

「オイは見ての通り提灯の九十九神ばい。

梨菜ちゃんは子供っぽかなりばしちょるけん、れっきとした女学生…」

「提さん!
怒りますよ!」

「もう怒っちょるやろうも…」

「おバカ提灯の提さんです」

ぶすっとしながら梨菜。

「げに乙女心は難しかばい」

梨菜の
38・ 蓬莱人
>>[[18232204]]


「……… 」


ふと、どうしようかと頭の中を過る。面倒事ははっきり言って好きではない。いや、それは大抵の人間に当てはまる事である。

彼は軍事基地に入り、そこに残っている弾薬等をくすねようとしていただけなのに、知らぬ間にこのようなことになっていた。

人生とは本当に何が起きるか分からない。

しばし思考の末、


「オレ、いや……私の名前は……っあー……そう、イスカリオテ。イスカリオテと言うが、君は……その、失礼だが生きている人間か?」


死んでいる人間とは到底思えない喜怒哀楽、だけど確証が持てぬので失礼と断り一ついれると聞いた。ただ神父の予
37・ 青大将
>>[[18228709]]

「???」

神父さんの言葉に首を捻る梨菜。

そして真剣な表情で口を開く。

「流石は神父様。
その女性の迷える魂が、すぐ近くにおられるのがわかるのですね?

私で宜しかったら、その迷える魂の成仏を促すお手伝いを致します。

いや、させて下さいっ!」

神父さんの手を握ろうとしながら梨菜。

どうやら自分の事だとはかけらも思っていないようだ。

…しかも、今自分が非常にあられもない姿である事をすっかり忘れている。

そして梨菜は言葉を続けた。

「ゼロくん。
導鑑(シルベノカガミ。探知機のようなもの)に魂の反応は?」

『その前に主操…
上着を着
36・ 蓬莱人
>>[[18223117]]


「……へ、え、はぁ?」


目の前に追い付いてきた女性──いや少女か、を見た彼の第一声がこの困惑からの驚き。

それもそうだろう。いきなり目の前にもんぺを履いた上半身下着だけの、ほぼ半裸な少女が追い付いてきたのだ。そこに廃墟から出てきたのもプラスして、辿り着いた思考は……


「……戦争中……慰めモノにされた少女の、霊……だと!?」


おおよそ神父らしからぬ思考と言動だ←
35・ 青大将
>>[[18222633]]

神父さんが踏み抜いた瞬間、百倍近い大きさに膨れ上がっていた提さんは、バリッという音を立ててみるみる元の大きさに縮んで行く。

「け…
怪我ばせんかった様で何よりばい…
いててて…」

神父さんからそう離れていた場所に転がりながら提さん。

そこへ梨菜が押っ取り刀で駆け付けて来る。

「提さん!」

「神父しゃんなら平気そうたい。

げに身の軽かお人で何よりばい…

それはそうと梨菜ちゃん…」

神父さんを見ながら何かを言おうとする提さんだが…

「無理しちゃだめ!
怒りますよ!
提さんはここで待ってて!」

そう言うや否や、梨菜は神父さんへと一目散
34・ 蓬莱人
>>[[18221083]]


「っうぅ」


下に巨大なクッションの様な何かか現れた瞬間、咄嗟の判断でクッションを踏み抜き飛び台にしたら、無事に着地。
33・ 青大将
>>[[18220923]]

梨菜「…いきなり逃げるなんて…

私ってそんなに怖く見えるの…(>_<)」

年頃の娘らしい理由でショックを受ける梨菜。

…その前に服装が等とは、言うに言えない提さんとゼロくんであった。

「!
いけん!
ゼロくん!」

『はい!』

たった今落下してしまった彼を救おうと、ゼロくんは不思議な力で提さんをブンと投げ飛ばす。

神通力を駆使してどうにか彼の落下地点に先回りした提さんは、素早く本体を百倍近い大きさに膨らませ超巨大クッションとなり彼の保護に務めた。

「牧師しゃんが身投げしたらいかんやろうも…」

実にマイペースな提さん。


32・ 蓬莱人
>>[[18218434]]


女性と提灯、一見するとヘンテコな組み合わせの者達が現れたと同時に、神父衣装の男性は腰を落とし、その場で華麗にターンを決めたら端の方まで猛ダッシュ。

スピードの勢いを殺さずに、転落防止の為に作られた、成人男性の腰ほどまである鉄製の柵に足を乗せると、そのままアクション映画さながらな大ジャーンプ! を決めるはずだったが、


「……って、おぉぉぉおおお!?」


どうも廃墟化の影響で、柵自体が古くなっていたらしく、足を乗せた瞬間に柵が壊れてそのまま落ちていった。

南無三←
31・ 青大将
>>[[18217521]]

廃墟に響く銃声。

まさか彼に何かあったのでは…と心配した梨菜と提さんは、彼の無事を祈りつつ銃声がした方向にひた走る。

提さんはスプリングのように飛び跳ねながら。

梨菜はセーラー服にもんぺ姿のまま。

しかも、念のため仙女の横笛を竹槍に見える程に大きくして…

「銃声よゼロくん!
出来るだけ急いで集まりましょう!」


真剣な表情で梨菜は念話を飛ばした。



 その頃ゼロくんは、別に驚く事も怒る事もなくキョトンとしている。

零戦の意識体であるゼロくんにとって、拳銃弾はグラマンやコルセアの機銃弾程怖くはないのだろう。

そして…

『名も名乗
30・ 蓬莱人
>>[[18216220]]


青白い光、プラズマ現象と呼ばれるモノだろう、確証は無いが多分そんな理由で光っているのだろう。だがそれは別に良い、磨獣等が居るのだから、身体を発光させる人だって居てもおかしくない。同じ理由で浮遊しているのも分かる。

しかし問題は現れた人物の格好である。海軍第一種軍装、時代錯誤も甚だしい衣装、今の時代でそのような服装を着ている者など一握りか、もしくは既に世から去った昔の兵士達など。生憎この男性はその一握りも知らない者。


「…………………………」


頭は処理が追い付かずにフリーズしているが、身体はほぼ反射と呼べる領域にまで銃を扱っていたのか、考
29・ 青大将
>>[[18210790]]

その頃梨菜と提さんそしてゼロくんは、二手に分かれて彼を探す事にした。

梨菜と提さんは廃墟探検愛好家が好みそうなコースを巡回し、ゼロくんは意識体の特性を活かして壁に干渉される事なくあちこち探し回る事にする。

何かあったら直ぐに念話で知らせると約束し、それぞれ行動を開始するのであった。


 飛行機の意識体だからなのか、ゼロくんは壁や床を片っ端からすり抜け屋上へと進んで行く。

やがて拳銃を構えた彼を発見したゼロくんは、出来るだけ驚かせないように足を床に着けた上で、彼に声をかけた。

『こんにちは。
ご精が出ますね』

にこやかな表情でゼロくん。

28・ 蓬莱人
>>[[18205926]]


「…………」


もはや何も喋らず、懐の拳銃に何時でも取り出せるように手を添え、注意深く辺りを見回しながら廊下を踏襲して行き、階段を上る時も踊り場に着く度に前後上下左右を見ては、用心深いぐらいに周囲の安全を確認していく。

何度めかの階段、上り終えると一つの扉に遭遇。慎重に手をかけ……勢いよく開くと、懐から愛用の拳銃──IMI ジェリコを取り出し構え、


「異常無し。……って、鉛弾が幽霊に効くのか……っーの」


たははと、力なく笑いながらジェリコを元の場所へ戻した。
27・ 青大将
>>[[18204711]]

我が笛の音色ながら、梨菜もまた不気味な音だと思っている。

梨菜「やぁねぇ…
これじゃお化け屋敷みたい」

提さん「廃墟やけん仕方なかろうも。
しかし、想像以上に痛んじょっとばい」

提さんの言う通り、崩落や倒壊等の危険が高ければ高いほど、梨菜の笛の音色は不気味なものとなる。

頑丈に造られている軍事基地の廃墟だからこそ、この程度の音色で済んでいるのかもしれない。

梨菜「それはそうと、さっきの方大丈夫かなぁ?」

提さん「あちこち痛んじょっけんね…」

梨菜と提さんがそんな言葉を交わした直後、梨菜が素っ頓狂な声を上げた!

梨菜「きゃーっ!
…い
26・ 蓬莱人
>>[[18201029]]


「こいつは……」


あの不気味な笛の音がまた聞こえてきた事に、一度立ち止まる。


「…………?」


しかし反響している音が次第に大きくなることに違和感を持ち、その場で耳を澄ませて聞けば、心なしか此方に近付いている……ような気がする。流石に建物内で音が鳴れば反響し、発生源も分からない。一瞬だが彼は引き返そうかとも考えたが、ここまで入った以上、戻るのも何か残る、なので屋上へ向かおうと歩く。
25・ 青大将
>>[[18200723]]

流石に提さんだけ行かせるのは悪いと思ったのか、梨菜は自分も廃墟に向かう事にする。

ゼロくん
『お待ち下さい主操。
飛行服のままでは友軍の幽霊に間違えられるかもしれません』

確かにゼロくんの言う通り、梨菜は今父武将のお下がりの飛行服を着ている。

梨菜「確かにそうね。

ほい!」

梨菜が気合いを込めると、梨菜の着ている服は女学校のセーラー服姿となる。

しかも、狙ったように腰から下はスカートではなくもんぺであった。

ゼロくん『主操…』

梨菜「スカートだと動きにくいでしょ?」

確かに梨菜の言い分にも一理ある。

だがゼロくんは、下手をすれば
24・ 蓬莱人
>>[[18198044]]


「出るなよぉ、出るなよぉ、マジで出るなよぉ……」


見た目に合わず、幽霊と言ったモノの類いが苦手なのか、周りを不自然な程にキョロキョロ見回しながら、ゆっくりと……音を立てない訓練のされた軍人の如き足取りで廃墟を踏破していった。
23・ 青大将
>>[[18197873]]

演奏術故と知ってはいるが、まさかここまで不気味な音が鳴り響くとは予想していなかった梨菜。

その顔付きが14歳の少女のそれから仙女のそれに変わる。

梨菜「まさかここまで不気味な音だらけになるなんて…」

横笛を奏でながら梨菜。

口で直接話せない分念話がそれを補っている。

提さん「オイがひとっ跳ね(提灯なので)行ってくっとよ。

梨菜ちゃんは演奏ば続けんしゃい」

提さんはそう言うと、まるでスプリングのように跳ねながら彼の消えた方向へと向かう。

梨菜「提さん大丈夫かなぁ…」

梨菜の心配事。

それは、彼が提さんの姿を見るなり、提さんをお化け
22・ 蓬莱人
>>[[18197084]]


「あぁん? ……おいおいおい、まさかなぁ、廃墟だからある程度は覚悟してたが、出るのかよ、ここ……ヤベ、適当に坊さんの真似事でもしなきゃ良かったか」



げんなりしたような表情をすると、キャソック(神父衣装)の下に忍ばせている護身用の拳銃に手をかけている。それは気休め程度なのは確か。

入って早々、廃墟でいきなり不気味な音が鳴り響けば、幽霊の類いが出てきても可笑しくないと勘違いを起こすだろう。

しかし、この神父なのか宣教師なのか分からない男、脇の下には勿論のこと、両腿と腰の後ろにまで拳銃をぶら下げているではないか。
21・ 青大将
>>[[18196880]]

梨菜「あら?
どちらに行かれるのかしら?」

ゼロくんの整備を進めつつ梨菜。

父武将(たけまさ)の英才教育故か、梨菜は如何なる時でも愛機の整備に手を抜かない。

ゼロくん
『廃墟探検が御趣味なのでしょうか?』

方向舵を動かしながらゼロくん。

軍事基地跡に一人で来た目的=廃墟探検と連想したらしい。

提さん「見た目は頑丈そうでも廃墟は意外に危険らしかとばい」

梨菜「提さんの言う通りね」

梨菜はそう言うとゼロくんの整備を提さんと交代し、自らは仙具『仙女の横笛』を取り出して奏で始める。

神通力を乗せた笛の音色があちこちに反響し、崩落や倒壊の恐
20・ 蓬莱人
>>[[18195260]]


「…………」


上から零戦独特のエンジン音がし、無言で特上カルビ弁当を食べながら、眼帯のされていない片目で空から地へ着陸態勢を取りながら滑空する戦闘機を見詰めた。


「……っし、行きますか」


食べ終えたらしく、ゴミを手持ちの革袋へと戻すと立ち上がり、大きく身体を伸ばして、廃墟となっている軍事基地へ向かっていく。彼は何が目的でここに来たのだろうか。
19・ 青大将
>>[[18193165]]

※では、お言葉に甘えましてm(_ _)m。


それから暫く過ぎた頃。

梨菜と提さんの乗る零戦52型改(通称ゼロくん)は、軍事基地跡構内の滑走路跡に着陸しようとしていた。

通常の飛行機なら手入れされていない滑走路に着陸するなど自殺行為だが、神仙境工廠で大改造を受けたゼロくんなら何等問題にはならないようだ。

梨菜「あ♪
誰かお弁当食べてる」

どこか嬉しそうに梨菜。

暗いイメージを連想しがちな軍事基地跡で、平和的な光景を見れたのが嬉しいのだろう。

提さん「やっぱり平和が一番ばい」

梨菜の膝の上で、折り畳まれていた顔兼胴体を伸ばしながら、小
18・ 蓬莱人


「くはは、訳もなく練り歩いてみればこんな場所に付いてしまった。うむ、まあ特上カルビ弁当を食うには支障は無いから構わないんだが」


宣教師のような、どこか神職者然とした格好の偉丈夫の東洋人男性が一人、腰を降ろすのに良さそうな石に座りながら湯気を立てている弁当をかっこんでいた。



「しかしなんだぁ、やっぱアレだな、祝詞っつーか、アレだアレ……汝、神の(以下略)があってどーたら……レスト・イン・ピース」


悼むように追悼の言葉を喋ると、また弁当を食べ始めた←




※フリーよ、誰でも来なさい←←
17・ 響心
>>[[18041117]]

弥「なっ!?なんだこれは!!?
ぬをを!!?」

保護フィールドに包まれ、飛び上がる弥。
慌てふためき、腰を抜かした。

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